Amazonがデータセンター運用に伴う水使用量を初めて公表した。写真=Shutterstock

Amazonは、2025年に世界のデータセンター運用で使用した水量が25億ガロン(約95億リットル)だったと初めて公表した。AI向けインフラ投資の拡大を背景に、データセンターの電力消費や水使用を巡る懸念が強まる中、ビッグテックが具体的な水使用量を開示した事例として注目を集めている。

米ITメディアThe Vergeが11日(現地時間)に報じたところによると、Amazonはサステナビリティ関連資料でこの数値を明らかにした。500ミリリットルの飲料ボトル190億本分に相当し、韓国の人口8万人規模の年間水使用量に匹敵するという。貯水量でみると、ソウル市の石村湖の約1.5倍としている。

今回の開示は、AIデータセンターの増設が地域の電力網や水資源に及ぼす影響を巡る議論が強まる中で行われた。米シアトルでデータセンター建設を1年間猶予する措置が取られた直後でもあり、業界内外の関心を集めている。

Amazonは総使用量の公表とあわせて、運用効率の改善も強調した。2025年のデータセンターでは、使用電力量1キロワット時(kWh)当たり平均0.12リットルの水を使用したとしている。データセンターの規模が拡大する一方で、総水使用量は前年比2%減少したと説明した。

同社は、こうした指標を根拠にデータセンター運用の効率が改善していると主張している。水使用効率は業界平均の約7倍に達するとも述べた。

競合他社との比較にも言及した。Amazonは自社報告書で、近年はMicrosoft、Google、Metaに比べ、使用電力量に対する水消費量を低い水準に抑えてきたと説明した。ただ、比較条件には違いがある。GoogleはGemini AI関連のデータセンターの数値が中心なのに対し、Amazonは全データセンターの運用データを用いたとしている。

一方で、今回公表した数値が実際の水負荷のすべてを反映しているわけではないとの指摘もある。対象となっているのは、データセンターの運用過程で直接使用した水に限られる。データセンターに電力を供給する発電所の冷却水や、新設時の建設工程で消費される水は含まれていない。

冷却方式についてAmazonは、水使用の最小化を進めていると説明した。データセンターでは約90%の時間で空冷を採用し、水を蒸発させる水冷方式は気温が最も高い時期に限って使うとしている。あわせて、サーバ機器が耐えられる温度範囲を引き上げ、冷却負荷を下げる取り組みも進めているとした。

業界では、今回の公表がAIインフラ拡大に伴う環境負荷の議論をさらに広げるきっかけになるとの見方が出ている。生成AIサービスを巡る競争が激化する中、ビッグテック各社は数十億ドル規模のデータセンター投資を続けており、水使用量も電力消費と並ぶ重要な評価指標として浮上している。

Amazonは運用効率の改善を前面に打ち出しているが、発電所や建設段階で生じる間接的な水使用が除外されている以上、実際の環境負荷をどこまで反映しているのかを巡る議論は今後も続きそうだ。

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