Ripple Labsに対するXRP訴訟を主導したジェイ・クレイトン元米証券取引委員会(SEC)委員長が、米国家情報長官(DNI)に指名された。上院で承認されれば、18の情報機関の調整を担うことになる。
ブロックチェーン関連メディアのU.Todayが11日(現地時間)に報じた。クレイトン氏の起用は、金融界に加え、XRP訴訟を巡る経緯から暗号資産業界でも関心を集めている。
クレイトン氏はドナルド・トランプ政権下でSEC委員長を務め、Ripple Labsに対する大型訴訟の提起を承認したことで知られる。SECは当時、XRPを未登録証券と判断しており、この訴訟は暗号資産業界を象徴する法廷闘争の1つと受け止められてきた。そのため同氏に対する評価は、金融界と暗号資産市場で分かれていた。
今回の指名は、ホワイトハウスが当初、情報分野の経歴を持たないビル・パルト氏の起用を模索したものの、議会の強い反発を受けて方針転換した後に打ち出されたという。パルト氏を巡る議論は、政府の主要な監視権限の再承認手続きにも影響を与えたとされる。
クレイトン氏は2025年4月からマンハッタン連邦検事を務めている。今回の人選は、ジョン・ラトクリフ米中央情報局(CIA)長官の推薦を受けたものとみられる。上院承認を経て国家情報長官に就任した場合、同氏は現職を離れることになり、後任のマンハッタン連邦検事は現時点で決まっていない。
業界関係者の反応も早い。Galaxy Digitalの最高経営責任者(CEO)であるマイク・ノボグラッツ氏は指名直後、「ジェイ・クレイトンは情報機関トップとして、はるかに良い選択だ。米国にとって良いことだ」と評価した。暗号資産業界で影響力の大きい人物が公然と支持を示したことで、SEC時代とは異なる見方も一部で広がっている。
もっとも、上院での承認が円滑に進むかはなお不透明だ。ホワイトハウスは、クレイトン氏が率いるDNIについて、役割を絞り込んだ形を構想しているとされ、18機関の調整機能に重点を置く方針を示している。情報機関の運営範囲や権限をどこまで持たせるのかが、上院審査の焦点となる可能性がある。
今回の指名は、暗号資産業界にとって象徴的な人事ともいえそうだ。XRPを巡る長期訴訟の出発点にいた人物が、金融規制の最前線から離れ、情報分野の中枢ポスト候補に転じたためだ。実際に就任するかどうかは上院承認次第であり、ホワイトハウスが描く権限を絞ったDNI像をクレイトン氏が担うかどうかも、なお流動的だ。