画像=Kakao Games

Kakao Gamesが、筆頭株主の交代に合わせて経営体制の刷新を進める。LINEヤフーが出資する投資目的会社の傘下に入る見通しとなる中、共同代表制への移行を準備している。下期には新作5タイトルの投入も控えており、6四半期連続の営業赤字から立て直せるかが焦点となる。

◆筆頭株主交代に合わせ経営刷新、共同代表制へ

業界関係者によると、Kakao Gamesは22日、京畿道・龍仁市のKakao AIキャンパスで臨時株主総会を開き、キム・テファン Line Games副社長と、イ・シウKakao Games最高事業責任者(CBO)を社内取締役に選任する議案を付議する。両氏は取締役就任後、共同代表に就く見通しだ。

2人は経歴が異なり、役割分担が進むとの見方もある。キム氏はNexon Korea、Nexon Japan、Nexon Americaを経て、2023年にLine Gamesに合流した。今回のLINEヤフーによるKakao Games株式取得を主導した人物として知られる。一方、イ氏はKakao Games創業初期からモバイル事業を担ってきた。新株主との戦略連携をキム氏が担い、イ氏が組織運営の安定化を支える体制が想定されている。

このほか、Petricor Partnersのソ・ソクホ常務理事を、任期9カ月のその他非常勤取締役に選任する議案も含まれる。任期が短いことから、今後のガバナンスや事業構造の再編を視野に入れた布石との見方もある。もっとも、Kakao GamesとLine Gamesは現時点で、合併や事業統合を協議した事実はないとしている。

今回の経営刷新は、LINEヤフー系のLAAA InvestmentがKakao Gamesの筆頭株主に浮上する手続きと重なる。LAAA InvestmentはKakao保有株の一部を取得するほか、Kakao Gamesが実施する2400億ウォン規模の第三者割当増資と、600億ウォン規模の転換社債(CB)を引き受け、総額3000億ウォンを投じる。取引完了後の持株比率は33.2%、CB転換後は35.8%となり、筆頭株主となる見通しだ。これまで筆頭株主だったKakaoの持株比率は14.6%に低下し、第2株主に後退する。

◆LINEヤフーとの連携に期待、実効性は今後の検証課題

体制転換後の市場の関心は、Kakao GamesとLINEヤフーのシナジーに向かっている。焦点の1つは、Kakao Gamesが韓国で培ってきたプラットフォーム型のマーケティング手法を、アジア市場でも再現できるかどうかだ。

Kakao Gamesはこれまで、KakaoTalkを基盤に事前登録、クーポン配布、各種イベントを通じて配信前にユーザーを集め、その後の運営につなげてきた。LINEヤフーは、日本、台湾、タイなどアジア主要市場でメッセンジャーアプリ「LINE」を軸に大規模なユーザー基盤を持つ。「LINE GAME」も、公式アカウントの友だち追加、事前登録、報酬設計、ソーシャル機能などを備えており、Kakao Gamesのマーケティング手法と親和性が高い。韓国で実証してきた方式を、LINEの利用基盤が強い地域へ展開しやすい環境が整いつつある。

もっとも、シナジーの実現性はなお見極めが必要だ。LINEとヤフーのグローバルゲーム市場での存在感は限定的で、関係会社のLine Gamesも新作不振が続き、資本毀損の状態にある。実質的な検証の場として有力視されているのが、第4四半期に日本市場での同時リリースを目標とするサブカルチャー系新作「プロジェクトC」だ。日本はLINEヤフーの中核市場であると同時に、「プロジェクトC」の主要展開地域にも位置付けられており、プラットフォーム連携の効果を測る初期事例となる可能性がある。

◆「オーディンQ」軸に下期5タイトル、業績反転の試金石に

Kakao Gamesは第3四半期から年末にかけて、新作5タイトルを順次投入する計画だ。2026年1~3月期は売上高829億ウォン、営業損失255億ウォンで、営業赤字は6四半期連続となった。今回の新作サイクルは、単なるラインアップ拡充ではなく、業績反転をかけた勝負どころとみられている。

第3四半期にはMMORPG2タイトルを投入する。子会社Lionheart Studioが開発する「オーディンQ」は、2021年に韓国モバイルMMORPGで売上首位を記録した「オーディン:ヴァルハラ ライジング」の後続作にあたる。Unreal Engine 5ベースのフル3Dシームレスオープンワールドと北欧神話の世界観を採用し、前作のビジュアル面の強みを継承する戦略だ。韓国と台湾などを対象に、グローバル・ワンビルドでの投入を目指す。証券業界では、「オーディンQ」の成否が来年前半の黒字転換を左右するとの見方が出ている。

Supercatが開発する「トッケビの世界」(旧プロジェクトOQ)は、韓国の伝統説話を背景に、2Dドットのキャラクターと3D背景を組み合わせたMMORPG。職業に縛られない自由なスキル構成と、門派を軸とした協力プレーを打ち出し、「オーディンQ」とは異なるユーザー層の取り込みを狙う。フォーカスグループテスト(FGT)では、世界観やビジュアル、協力コンテンツ全般で好意的な反応が確認されたという。

第4四半期は、PC・コンソールとサブカルチャー系へと領域を広げる。子会社XLGAMESが開発する「ArcheAge Chronicles」は、PC・コンソール向けのアクションRPGで、Steam、Epic Games Store、PlayStation 5、Xbox Series X/Sでの発売を予定する。Kakao Gamesにとって、モバイル偏重の収益構造から脱し、PC・コンソール事業の拡大を本格化させるシグナルと位置付けられる。

Ocean Drive Studioの「God Save Birmingham」は、中世を舞台にしたオープンワールド型のゾンビサバイバルで、第4四半期のグローバル発売を目標とする。Lionheart Studioがサブカルチャージャンルに初挑戦する「プロジェクトC」は、美少女キャラクター育成シミュレーションとして、韓国と日本市場を同時に狙う。

下期の新作は、子会社開発タイトルと外部パブリッシング作品が混在する。このうち「オーディンQ」「ArcheAge Chronicles」「プロジェクトC」は、Lionheart StudioやXLGAMESなどKakao Gamesグループの開発力を直接映すタイトルでもある。ヒットの有無は、Kakao Games本体だけでなく、開発子会社の企業価値評価にも影響を与える可能性がある。

サムスン証券のオ・ドンファン研究員は「株価反転には、増資に伴う希薄化の影響を打ち消せるだけの新経営陣の成長戦略と、親会社とのシナジー方針の提示が必要だ」と指摘した。

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