Databricksのグローバル・フィールド・オペレーション担当プレジデント、アンディ・コフォイド氏は10日、キャリア初期の若手に向け、最初の仕事では「情熱」よりもスキルの蓄積を優先し、可能であれば対面勤務を通じて人脈を築くべきだとの考えを示した。
米Business Insiderが10日(現地時間)に報じた。コフォイド氏は、キャリアの最初の3〜10年は、その後の変化に対応できる土台を築く時期だと説明した。
同氏はDatabricksで、グローバル営業、フィールドエンジニアリング、マーケティング、サービス、パートナー業務を統括している。あわせて、大学卒業から7年以内の20代の子が3人いることにも触れ、労働市場に入りたての求職者は、経験やスキルの蓄積が十分でない分、影響を受けやすい層の一つだと指摘した。
最初の助言として挙げたのは、初職を選ぶ際の基準を「情熱」だけに置かないことだ。情熱を追うべきだという助言は耳当たりがよい一方で、現実にはまずスキルを積み上げられる仕事を選ぶべきだとした。コフォイド氏は「情熱はいったん脇に置いてみるべきだ」と述べ、特定分野で専門性の柱がなければ、情熱を長期的な成果につなげるのは難しいとの見方を示した。
その上で、初職は専攻に近い分野で、着実にスキルを身に付けられる環境が重要だと説明した。大学で学んだ内容とつながる専門性を積める仕事を探すよう促すとともに、AIを活用しながら働く力も早い段階で身に付ける必要があると語った。
一方、AIが仕事を変えつつあるからといって、特定の職種がなくなるという予測に過度に振り回される必要はないとも述べた。労働市場の変化を見極めることは重要だが、数年前までコンピューター工学の学位が安定した進路の象徴のように見られていた状況は大きく変わったと指摘。エントリーレベルの採用競争はすでに一段と厳しくなっているとした。
2つ目の助言は対面勤務の重要性だ。リモートワークは柔軟で魅力的に映ることもあるが、キャリア初期には学習機会や関係構築の面で不利になり得ると指摘。求職者には週4〜5日、オフィスで働く形を勧めた。昼食やコーヒー、仕事帰りの会話をともにする時間が、人間関係を築くうえで最も効果的だと説明した。
採用の場面でも、人脈の重要性を強調した。オンライン応募だけで最初の接点を得るのは非常に難しく、人脈を活用すれば最初の会話につながる可能性が大きく高まるという。対面勤務は、そうしたつながりを広げるうえでも有利だとした。
また、出社は仕事への向き合い方を身に付けるうえでも役立つと述べた。決まった時間に出社し、1日の業務を終えるまで働く経験が、仕事の基礎体力を養うという。早い段階から強い職業倫理を備える人もいるが、多くは社会に出て働きながら学んでいくものだと語った。
最後に、同じ空間で働くことが学習スピードを高めるとも強調した。同僚や上司のそばで働けば、その場でフィードバックを得られるためだ。コフォイド氏は「相互作用が生まれる」とした上で、それがスキルの成長やその後の発展に役立つと述べた。
今回の発言は、就職難とAIシフトが同時に進む環境で、キャリア初期の若手が何を優先すべきかを示したものといえる。コフォイド氏は、初期段階でスキルと人脈を同時に積み上げることが、その後の労働市場の変化への対応力につながるとみている。