OpenAIが、米オハイオ州で10ギガワット(GW)級のAIデータセンター用地の賃借に向けた協議を進めている。契約がまとまれば、単一拠点としては世界最大級のAI計算基盤への投資案件になる可能性がある。
Cryptopolitanが10日(現地時間)に報じた。計画はNVIDIAの資金支援を背景に進んでいるという。
候補地は、オハイオ州パイク郡にある旧ポーツマス・ガス拡散工場跡地だ。連邦政府所有の土地で、米エネルギー省は2026年3月、SoftBank Groupおよび関連会社のSB Energyと再開発に向けて協力すると発表していた。
SB Energyは同地で10GW規模の新規発電設備を整備する計画を持つ。うち少なくとも9.2GWは天然ガス火力で賄う方針だ。
OpenAIの「Stargate」プロジェクトは、2025年9月時点でテキサス州アビリーンを含む7拠点、計約7GWの計画容量を確保している。オハイオ州のピケトン・キャンパスが実現すれば、単一拠点だけで既存7拠点の計画容量全体を上回ることになる。
規模の大きさは他地域との比較でも際立つ。世界最大のデータセンター集積地とされる米北バージニアの総容量は、2025年時点で約5GWだった。
また、2025年末にBlackRock、Microsoft、NVIDIA、xAIがAligned Data Centersを買収して世界50カ所超で確保した約5GW規模と比べても、ピケトン・キャンパスは単一拠点でその約2倍に近い電力を使う計画となる。
今回の協議は、2025年1月にホワイトハウスで発表された総額5000億ドル規模の「Stargate」プログラムの延長線上にある。同プログラムにはOpenAI、Oracle、SoftBankなどが参加した。
その後、OpenAIは2025年9月までに計画を7拠点・約7GWへ拡大し、3年間で4000億ドル超の投資コミットメントも確保した。オハイオ州の用地が加われば、同州ではローズタウンに続く2カ所目のStargate関連拠点となる。
NVIDIAは半導体供給にとどまらず、資金面でも関与する見通しだ。NVIDIAとOpenAIは2025年9月、少なくとも10GW規模のNVIDIAシステム導入に向けた意向書を締結した。
段階的な設備稼働を条件に、NVIDIAはOpenAIに最大1000億ドルを投じる予定だ。最初の1GWは2026年後半に、NVIDIAの「Vera Rubin」プラットフォームを基盤として構築する計画とされる。
電力インフラの整備も進む。SB EnergyはAEP Ohioとともに、42億ドル規模の新たな送電インフラ計画を進めている。
米エネルギー省は、余剰の発電・送電容量を一般需要家にも供給できるようにするとともに、旧ウラン濃縮施設跡地の環境浄化も前倒しする方針を示した。
もっとも、契約はまだ確定していない。OpenAIが単一拠点で10GW規模のデータセンターを実際に運用するには、電力調達、許認可、資本投下など複数の課題をクリアする必要がある。
Stargateプロジェクトは当初計画を上回るペースで拡大しているが、サム・アルトマンが言及したOpenAIのクラウド関連コミットメントまで含めると、総コストは1兆ドルを超える見通しだ。
焦点は、OpenAIがこうした超大型AIキャンパス構想を実運用まで持ち込めるかどうかに移りつつある。オハイオ計画が実現すれば、AI開発競争はモデル性能だけでなく、電力、用地、送電網、資金調達力を競うインフラ主導の局面へ一段と進むことになりそうだ。