写真=アシャ・シャルマ氏のXより

Microsoftが、次世代Xboxコンソールの開発計画「Project Helix」を維持しつつ、事業モデル全体の見直しを進めている。メモリやストレージなど主要部材の価格上昇で製造コストが膨らみ、従来の高性能プレミアム機中心の戦略だけでは価格競争力を確保しにくくなっているためだ。

米ITメディアのThe Vergeは10日付(現地時間)、Microsoftが次世代Xboxの開発を継続する一方で、市場環境に合わせて販売方式や価格体系の再設計を進めていると報じた。

Project Helixについて、Xboxの戦略を担うマシュー・ボール氏は「必ず投入するコンソールだ」と説明。そのうえで、消費者が受け入れやすい価格と十分な柔軟性を両立させるため、関連するあらゆる要素を見直していると述べた。

Microsoftはこれまで、次世代Xboxを最高水準の性能を備えたプレミアムコンソールとして位置付けてきた。ただ、半導体やメモリ、ストレージの価格上昇が続くなか、高性能機を妥当な価格帯で提供するのは難しくなっているとの見方が出ている。

Xboxのアシャ・シャルマ最高経営責任者(CEO)も、足元のハードウェア市場について「業界全体が危機に直面している」との認識を示し、コスト構造そのものを見直す局面にあると語った。

これを受け、Microsoftはコンソールの販売形態についても複数の選択肢を検討している。シャルマ氏は、より多くのユーザーをXboxエコシステムに取り込むため、新たな料金体系や販売モデルを検討していると明らかにした。

業界では、かつて提供していた「Xbox All Access」型の販売モデルが復活する可能性も取り沙汰されている。同サービスはコンソール本体とGame Passを組み合わせ、月額の分割払いで提供する仕組みだったが、主要流通企業の離脱を受けて昨年終了した。ただ、サブスクリプション拡大の重要性が高まるなか、類似プログラムが再び導入されるとの見方もある。

Game Pass戦略の見直しも進む見通しだ。Microsoftは4月にGame Pass Ultimateの価格を引き下げたのに続き、Discordとの提携を通じて、Nitro加入者にGame Passの利用権を提供するプロモーションを実施した。シャルマ氏は今夏、Game Passのプラン構成をより柔軟な形に改める計画だと説明した。

広告モデルの無料サービスも検討対象に入っている。Microsoftは1年以上にわたり、無料のXboxクラウドゲーミングモデルを試験しており、広告視聴と引き換えにゲームを利用できる仕組みが選択肢として浮上している。

さらに大きな変化として、ハードウェア戦略のオープン化を挙げる見方もある。MicrosoftはすでにASUSと協業し、Xboxブランドの携帯型ゲーム機を開発中だ。Project Helixも、従来のコンソールの枠にとどまらず、PCとコンソールの垣根を低くする方向へ進む可能性が指摘されている。

業界では今後、ほかのPCメーカーがAMDの次世代チップを採用し、Xboxブランドの機器を製造する形もあり得るとみられている。ハードウェア競争を通じて価格負担を抑え、消費者の選択肢を広げる効果が期待されているためだ。

ストレージ戦略の見直しも示唆された。シャルマ氏は今後、メモリとストレージを現在とはまったく異なる形で捉える必要があると述べた。Xbox Series X|Sで採用した専用拡張カード中心のクローズドな構造に代わり、より低価格で汎用性の高いストレージの採用を検討している可能性がある。

こうした課題はMicrosoftに限った話ではない。Sonyは最近の値上げ後、PlayStation 5の販売が鈍化しており、ValveもSteam Deckの価格を大幅に引き上げた。高性能ゲーム機の価格上昇が続くなか、従来のコンソール事業モデルそのものが試練を迎えているとの見方が広がっている。

次世代Xboxの成否は、性能だけでなく、価格の受容性やアクセスのしやすさに左右される可能性が強まっている。MicrosoftはProject Helixの投入方針を維持しながら、サブスク連動型の販売、クラウドゲーミング、ハードのオープン化を含む新たな事業モデルを模索している。

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