SpaceX(写真=Shutterstock)

米宇宙開発企業SpaceXの新規株式公開(IPO)を巡り、最大のリスクは需要不足ではなく、上場直後に利益確定を急ぐ短期筋の売りだ――。米CNBC「マッドマネー」司会者のジム・クレイマー氏が10日(現地時間)、こうした見方を示した。

同氏は、SpaceXのIPOについて、成否を左右するのは需要の強さそのものよりも、公開株をどの投資家に配分するかだと指摘した。

公開株にはすでに強い需要が集まっており、需要は配分可能な株数の約4倍に達しているとされる。一般には好調なIPOと受け止められる水準だが、配分先に短期売買目的の資金が多ければ、上場後の値動きは不安定になり得るという。

クレイマー氏が特に警戒するのは、短期の値幅取りを狙う投機筋だ。同氏は「投機筋は長期保有のために入ってくるわけではない。午後まで保有しないかもしれない」と述べ、「この集団が心配だ」と語った。

こうした投資家に公開株が多く配分されれば、取引開始直後から売りが膨らみ、株価変動が大きくなる可能性がある。上場初期の需給が崩れれば、高い応募倍率があっても株価の重荷になりかねない。クレイマー氏は「彼らは投資家に害を及ぼし得る。できるだけ早く利益確定したいだけだ」と述べた。

一方で、望ましいIPOの姿として、長期保有志向の個人投資家と、早い段階から参加して売却を急がない機関投資家の組み合わせを挙げた。個人がすぐに手放さず、機関投資家も売り急がない構図であれば、上場後の株価は安定しやすいという。「欲しいのは、すぐに売らない個人投資家と、かなり早い段階で入って売らないと約束した大手機関が一緒にいるディールだ」と話した。

公開株の配分を絞ることも、短期筋の影響を抑える要因になり得るとした。希望数量を下回る配分であれば需給の引き締まりが明確になり、上場後の追加需要につながる可能性があるという。「100株を申し込んで25株しかもらえなければ良い状態だ。もっと買いたくなる」と述べた。

もっとも、同氏は需要が約4倍あるというだけで楽観はできないともみている。超過需要があれば短期資金の影響は一定程度吸収できる可能性がある一方、需給の厚みは強いほど安心感が増すためだ。「今回のディールが4倍の超過応募なら、そうしたことは起きないはずだ」としつつ、「10倍の超過応募なら、はるかに安心できた」と語った。

SpaceXのIPOには市場の期待が集まっているが、応募倍率の高さだけで上場後の株価を占うのは難しい。市場の関心は、公開時の人気に加え、上場直後の売り圧力をどこまで抑えられるかに向かっている。

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