ビットコイン 写真=Shutterstock

ビットコインを巡り、機関投資家の需給が売り越しに転じたことで、相場の下振れリスクを警戒する見方が強まっている。現物ETFからの資金流出に加え、企業による買い支えも鈍化しており、市場では3万2000ドル前後まで下落余地が広がる可能性も意識されている。

Cointelegraphが6月10日付で伝えたところによると、機関資金の流れを示す指標では、ETFと企業保有分を通じた売り圧力が、日次の新規採掘量の約450%に達した。

Capriole Investmentsの機関投資家モデルは、現物ETFの資金フロー、企業による財務戦略上の保有、マイナーの新規発行量を基に需給を分析するものだ。直近では、機関投資家ベースの純売りが1日当たり約2000BTCに達し、市場の大口投資家が日々の採掘量の4~5倍に当たるビットコインを市場に放出している計算になるという。

中でも最大の重しとみられているのが、ビットコイン現物ETFだ。ETFの資金フローは足元で明確にマイナスへ転じており、Glassnodeの集計では直近1カ月で約270億ドルが流出した。2024~2025年にETFへの資金流入がビットコイン相場を史上最高値圏まで押し上げた局面とは、逆の流れとなっている。

一方、これまで相場の下支え役だったStrategyの買いペースにも鈍化がみられる。同社は2026年1~3月期に8万9599BTCを購入し、4~6月期も約6万2300BTCを積み増した。5月中旬には2万4869BTCを一括取得し、総保有量は84万3000BTC超に拡大した。この間、ビットコイン相場は2026年の安値である5万9930ドルから約40%反発した。

ただ、6月初旬以降のStrategyの購入は1550BTCにとどまった。これは、優先株配当の原資を確保するため32BTCを売却した後に実施した買い付けだったという。

現在の購入規模は、1~3月期と4~6月期序盤のペースを大きく下回る。Capriole Investmentsは、ETFからの資金流出に伴う1日2000BTC規模の売り圧力を打ち消すには不十分だとみている。

相場の下値余地を巡る警戒も強い。アナリストのCryptoBulletは、今回の下落局面が過去と同様に36~39%の調整幅となった場合、次の支持帯は4万9000~5万3000ドルになる可能性があると指摘した。

もっとも、この水準が初期的な下支えとして機能する可能性はあっても、最終的な底値と断定するのは難しいとの見方も出ている。

アナリストのJelleは、これまでのビットコインの弱気相場では、いずれも0.618のフィボナッチ・リトレースメントを下回った後に底入れしたと分析した。2014~2015年は当該水準から65%、2018年は59%、2022年は44%それぞれ追加で下落したという。

0.618の戻り水準が5万7000~5万8000ドル近辺にあることを踏まえると、2022年並みの比較的浅い下落にとどまった場合でも、下値の目安は3万2000ドル前後まで切り下がる計算になる。

さらに深い調整シナリオとしては、2018年並みの下落率で2万3000~2万4000ドル、2015年型の下落で2万ドル近辺まで下げる可能性も示された。

市場では今後、ETFからの資金流出が収束するかどうかに加え、Strategyが再び大規模な買いに動くかが、相場の方向感を左右する重要な材料として注視されている。

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