Samsung SDSは6月11日、米AIセキュリティスタートアップのXBOW、クラウドセキュリティ企業のTatum Securityと協業し、AIを活用したクラウドセキュリティ事業を強化すると発表した。脆弱性診断やマルチクラウド環境の統合監視を強化するほか、インシデント対応サービスも拡充する。
まず、XBOWとの協業では、企業顧客が保有するWebベースのIT資産を対象に、AIベースの脆弱性検出力を高める。
XBOWは2024年設立のスタートアップ。2025年6月には、バグバウンティープラットフォームのHackerOneで、人間のハッカーを上回る速度と精度で脆弱性を検出したとして注目を集めた。
Samsung SDSは、XBOWのAI技術を活用したペネトレーションテストを通じて、企業のWebサービスや情報資産に潜む脆弱性を特定し、是正措置や後続対応まで支援する。
Tatum Securityとの協業では、マルチクラウド環境に対応した統合セキュリティ監視体制を強化する。Tatum Securityは2020年設立で、AWS、Azure、GCPなどの主要クラウドを単一コンソールで統合管理・可視化できるクラウドセキュリティソリューションを提供している。
Samsung SDSは同社の技術を活用し、複数のクラウド環境を利用する企業に対し、統合セキュリティ監視と可視化を提供する方針だ。今後は、クラウドアクセス管理や権限管理サービス、共同開発などへと協業領域を広げる。
同社はあわせて、マネージドセキュリティサービスプロバイダー(MSSP)として、セキュリティインシデントの予防から事後対応までの体制も強化する。
企業でセキュリティインシデントが発生した際には、迅速な分析と対応によって追加被害を抑え、復旧時間の短縮を図る。あわせて、原因分析や再発防止策の策定まで支援し、事業継続性の維持とサイバーレジリエンス向上を後押しするインシデント対応サービスを提供する計画だ。
Samsung SDSのチャン・ヨンミン保安事業チーム長(専務)は「国内外の先進的なセキュリティスタートアップとの協業を通じ、予防、常時監視、復旧までをカバーするクラウドセキュリティ対応体制を構築した」とコメントした。そのうえで「グローバルの先端技術と国内向けソリューション、Samsung SDSの運用ノウハウを組み合わせ、企業でAI導入が広がるなかで急増する新たな脅威に先回りして対応していく」と述べた。