ビットコイン 写真=Shutterstock

ビットコインが足元で6万ドルを下回り、今回の相場サイクルで安値を更新するなか、Grayscaleは現在の価格水準について、オンチェーン指標では割安圏に入ったとの見方を示した。ただ、FTX崩壊後のような過去の急落局面で見られた極端な割安水準には、なお達していないとしている。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが10日(現地時間)に報じたところによると、Grayscaleは最近公表した市場レポートで、「ビットコインは現在、割安なのか」との問いに対し、慎重な留保を付けながらも、現状は割安圏にあると評価した。

判断の根拠として挙げたのは、オンチェーンのバリュエーション指標だ。Grayscaleは、ビットコイン保有者の平均取得原価に対する未実現損益や、保有期間・移転状況を反映した長期的な価値指標に対する現在価格など、3つの指標を加重平均した複合指標を用いた。これらを総合すると、足元のビットコイン価格は長期平均を大きく下回っているという。

一方で、現在の価格が過去の急落局面と同水準の大幅な割安状態にあるわけではないとも強調した。レポートでは、オンチェーンデータは「割安な資産」であることを示しているものの、FTX崩壊後のような市場ショック時に見られた深い割安水準には、まだ到達していないと指摘した。一部に底打ちの兆候はあるが、過去のような極端な投げ売り局面とみなすのは時期尚早だとしている。

今回の下げについては、過去ほど深くならない可能性があるとの見方も示した。Grayscaleは、足元の弱気相場が過去より緩やかに進行する可能性に触れ、その背景として「弱い強気相場」と市場構造の改善を挙げた。上昇局面そのものが過熱しておらず、市場構造も以前より安定していることが、下落幅の抑制につながる可能性があると説明している。

今後の焦点としては、規制動向とレバレッジの調整を挙げた。Grayscaleは、市場が実際に底を打ったかどうかは、クラリティ法案を巡る最近の動向に大きく左右される可能性があるとみている。規制の枠組みが上院でどう進むかによって、投資家心理への影響も変わり得るという。

短期的な需給面では、レバレッジ解消の進捗も重要だとした。Grayscaleは、多額のレバレッジを使ってビットコインを保有する投資家が財務状態を安定させられるかどうかが、追加的な強制清算や短期的な下押し圧力を回避するうえでの主要因になると指摘した。高レバレッジの投資家による売り圧力が整理されなければ、価格下落がさらに続く可能性があるとの見立てだ。

足元の市場は、オンチェーン指標でみた割安シグナルと、規制・需給の不確実性が併存する局面といえる。長期平均との比較では価格の割安感が意識される一方、規制案の行方とレバレッジ調整が一段落しない限り、底入れ確認には時間を要する可能性がある。現在の価格に投資妙味がある可能性はあるものの、市場が完全に安定したと断定するのは難しいというのがGrayscaleの見方だ。

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