Appleが次期「iPhone 18 Pro」および「iPhone 18 Pro Max」に、Qualcomm製5Gモデムに代わる独自設計の次世代モデム「C2」を搭載するとの見方が浮上している。狙いは電力効率の改善に加え、プライバシー保護機能の拡充や、電波の弱い環境での通信性能向上にあるとみられる。
米ITメディアの9to5Macが9日(現地時間)に報じた。AppleはQualcomm製モデムへの依存縮小を進めており、自社設計モデムの採用範囲を広げている。C2の投入により、ハードウェアとソフトウェアを一体で最適化する垂直統合の効果をさらに高める構えだ。
自社設計モデムの利点としてまず挙がるのが、バッテリー駆動時間への寄与だ。Appleがこれまで投入したC1およびC1Xは電力効率の面で優位性を示してきたとされ、この流れはC2でも続く可能性がある。iOSとAppleシリコンを緊密に連携させることで、Qualcomm製モデムを搭載した端末よりも、モバイル通信利用時の消費電力を抑えられるという見方が出ている。
Appleは具体的な性能指標を公表していない。ただ、iPhone 16e、iPhone Air、M5プロセッサ搭載のiPad Proについて、バッテリー駆動時間の改善要因の1つとして自社設計モデムに言及したことがあるという。iPhone 18 Proは前世代のiPhone 17 Proより大容量バッテリーを搭載するとの見方もあり、C2の電力最適化と組み合わせることで実使用時間の伸長が期待される。
2つ目のポイントは、プライバシー保護の強化だ。Appleは年初、自社設計モデム搭載端末でのみ利用できる新たなセキュリティ設定をiOSに追加したとされる。「精密位置制限」と呼ばれるこの機能は、ユーザーのリアルタイムの位置情報が通信事業者に過度に詳細な形で共有されるのを抑えるものだという。
Appleの公式文書によると、この機能に対応するのはiPhone Air、iPhone 17e、iPhone 16e、M5 iPad Proなど、自社設計モデムを採用した一部製品に限られている。今後C2を搭載するiPhone 18 Proシリーズが加われば、上位モデルでもより高度な個人情報保護機能を利用できる可能性がある。
3つ目は、電波の弱い場所や接続が不安定な環境での通信性能改善だ。投入が見込まれるC2を含む自社設計モデムは、基地局のカバーが十分でない環境でも接続の安定性を高める方向で設計されているという。
その背景には、モデムとメインプロセッサを緊密に連携させるAppleの設計思想がある。Reutersを通じたAppleの説明によれば、iPhoneが混雑したネットワーク環境に置かれた際、端末内のメインプロセッサが、どのデータ通信が時間に敏感で重要かをリアルタイムでモデムに伝達する。モデム側はその情報を基に該当データを一般トラフィックより優先処理し、伝送遅延を最小限に抑える仕組みだという。
これにより、ネットワークが混雑している場面でも、ユーザーはiPhoneの応答性が高いと感じやすくなり、通信遅延による不便の軽減が見込まれる。AシリーズプロセッサとCシリーズモデムを密接に連動させるこうした最適化は、通信チップまで自社設計するAppleの垂直統合戦略を支える差別化要因になりそうだ。
C2の採用が実現すれば、単なる部品の置き換えにとどまらず、バッテリー性能、セキュリティ、通信品質の底上げにつながる可能性がある。業界では、自社開発チップの統合力を武器に、Appleが次世代フラッグシップ市場で競争力をさらに高められるかに注目が集まっている。