韓国の暗号資産市場で、XRPの存在感が一段と強まっている。韓国最大級の暗号資産取引所Upbitでは、XRP/KRWが売買代金上位の常連となっており、相場変動が大きい局面ではビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を上回る場面も出ている。金融機関の投資姿勢の変化や、実物資産連動(RWA)を含むトークン化への関心拡大も重なり、XRP Ledger(XRPL)の活用余地に注目が集まっている。
ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」が9日付で報じたところによると、Evernodeの最高経営責任者(CEO)アシシュ・バルラ氏は、イベント「Bitcoin Seoul」への参加後、韓国市場について「XRPの取引量がビットコインを上回ることもある成熟したデジタル資産市場だ」と語った。
同氏によれば、UpbitのXRP/KRW市場は継続的に上位を維持している。値動きが大きい局面では、XRPの取引量がBTCやETHを上回ることもあるという。
実際、足元のUpbitにおけるXRP/KRWの取引量は約8964万ドルで3位。BTC/KRWは約7248万ドルで4位、ETH/KRWは約4302万ドルで7位だった。
韓国の金融機関の姿勢にも変化が出ている。バルラ氏は、韓国の大手金融機関が暗号資産をもはや実験段階の産業とは見ておらず、デジタル資産エコシステムを支えるインフラへの投資を進めていると説明した。
Bitcoin Seoulはビットコインを主軸とするイベントだったが、会場ではトークン化やRWAを巡る議論がより存在感を示していたという。トークン化国債や知的財産権など、現実資産をデジタル化する手法への関心が高かったとしている。
具体例としては、Ondo Financeのトークン化国債商品や、SBI Digital Marketsのトークン化音楽プロジェクトを挙げた。
こうした流れの中で、機関投資家はブロックチェーンネットワークを、ブランド力やコミュニティの強さではなく、インフラとしての性能で見極めているとバルラ氏は指摘する。トークン化資産の運用には、高い処理能力、低コスト、短い確定時間が求められるためだ。
その結果、どのチェーンが実際の機関需要を処理できるのかが、競争力を測る重要な指標になりつつあるという。
XRPLも、この分野で存在感を強めている。2026年1〜3月期のXRPLベースのRWA時価総額は、前四半期比124%増の22億5000万ドルとなった。
その後、規模は約37億ドルに拡大し、ネットワーク上のトークン化資産数は293件に達した。
韓国市場でのXRP取引の厚み、金融機関によるインフラ投資の拡大、トークン化を巡る議論の広がりが重なる中、XRPLの活用範囲がどこまで広がるかが今後の焦点となりそうだ。
もっとも、取引量の多さがそのまま機関導入の拡大を意味するわけではない。XRPとXRPLが韓国で強い存在感を維持するには、ウォン建て取引の流動性にとどまらず、実際の決済、トークン化資産の発行、機関間清算といった具体的なユースケースにつなげられるかが問われる。
韓国の投資家による高いXRP需要が、XRPLベースのインフラ需要に結び付くかどうかは、今後の市場評価を左右する重要なポイントとなる。