写真=Reve AI/ビットコインがリスクオフ拡大の先行指標になっているとの見方が出ている

ビットコインが、株式などリスク資産全体の調整に先立って下落する「先行指標」として機能しているとの見方が出ている。資産運用会社Bitwiseは、ビットコインが伝統的な金融市場よりも、流動性や金融環境の変化に早く反応してきたと分析した。

Cointelegraphが9日(現地時間)に報じたところによると、Bitwiseは今回のサイクルで、ビットコインとイーサリアムがそれぞれ5万8000ドル、1507ドルまで下落した局面から、世界のリスク資産に売り圧力が広がり始めたとみている。Nasdaqは数カ月ぶりの大幅安となる5%下落を記録し、韓国総合株価指数(KOSPI)では、半導体株主導の急落を受けて一時売買停止措置が発動された。

背景には、市場予想を上回る米雇用指標があった。これを受けて米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待が後退し、金利高止まり観測が強まったことで、成長株など金利に敏感な資産に下押し圧力がかかった。米10年国債利回りは先月に4.68%まで上昇し、9日時点でも4.53%前後で推移した。

Bitwiseは、こうした動きは今回に限った現象ではないと指摘する。ビットコインは24時間取引されるため、流動性環境の変化を株式市場より先に織り込みやすく、株式に先んじて数カ月早く弱含む局面が繰り返されてきたという。世界のM2は過去1年で増加を続け、約122兆6000億ドルまで拡大した一方、ビットコインは12万6000ドルの高値から大きく反落した。

このため、足元の下落を単純なリスクオフだけで説明するのは難しいとの見方もある。Bitwiseは、ビットコインがすでに相応の価格調整を経た一方で、世界の流動性はなお増加基調にあると指摘。今後、流動性環境が改善すれば、ビットコインが株式に先行して調整を終えつつある可能性があるとしている。

オンチェーン指標からは、別のシグナルも示された。市場分析家のマルトゥーンは、ステーブルコイン供給比率相対力指数(SSR RSI)が、過売り圏とされる13まで低下したと指摘した。SSRは、ビットコインの時価総額を、TetherのUSDTやCircleのUSDCなど主要ステーブルコインの時価総額と比較する指標。数値が低いほど、ビットコインの価値に対してステーブルコイン残高が厚いことを示し、市場に流入可能な待機資金が大きいとの解釈につながる。

取引所準備金も同様の傾向を示している。主要ステーブルコインの取引所保有額は現在約720億ドルで、このうちUSDTが577億ドル、USDCが120億ドルを占める。昨年末に800億ドルを超えたピークからは減少したものの、過去と比べれば依然として高水準にある。

足元の市場では、ビットコインがリスク資産の調整を先に織り込んでいる可能性を示す材料と、取引所内外に待機資金がなお厚いことを示す材料が同時に出ている。ビットコインが直近レンジ下限の6万2000ドル近辺で推移するなか、今後の流動性環境の変化が、暗号資産市場と株式市場のどちらが先に持ち直すかを左右する焦点となりそうだ。

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