ビットコイン相場を巡り、夏場の本格反発は見込みにくいとの見方が市場で強まっている。ProSharesの逆レバレッジ型ETF「SBIT」にテクニカル上の反転シグナルが点灯しており、抵抗線を上抜けた場合はビットコインの下押し圧力が強まる可能性があるためだ。
米ブロックチェーンメディアのU.Todayが9日(現地時間)に報じたところによると、ベテラントレーダーのピーター・ブラント氏は、ビットコインの下落に連動する2倍の逆レバレッジ型ETFであるSBITのチャートに注目している。
ブラント氏が材料視したのは、SBITの日足チャートに現れた反転パターンだ。チャート上では、一般に上昇転換のシグナルとされる逆ヘッド・アンド・ショルダーが形成されている。SBITはビットコインの値下がり局面で上昇しやすい商品であるため、このパターンが機能すれば、ビットコインには追加の下押し要因として働く可能性がある。
足元のSBITは61〜62ドル近辺の抵抗帯を試している。ブラント氏は、この水準を明確に上抜ければ、SBITが一段高に向かう可能性があるとみている。ブラント氏は「ビットコインに強気でも弱気でも、SBITは注目に値する興味深いチャートだ」と述べた。
実際の騰落率を見ても、同様の傾向が出ている。今年初め以降、ビットコイン価格が約30%下落した一方、同期間のSBITは46.49%上昇した。ブラント氏は、こうしたレバレッジ型ETFの構造的な計算方式が、売り方に有利に作用してきたと指摘した。
弱気寄りの見方は、ほかの市場関係者からも出ている。ビットコインのサイクル分析で知られるボブ・ルーカス氏は、市場はなお弱含みの局面にあると診断した。今回のサイクルで安値をすでに付けた可能性はあるものの、次の上昇局面に移るにはなお時間が必要だとの見方だ。
ルーカス氏は、次のサイクルに向けた土台作りには「3〜5カ月の荒い横ばい相場が必要だ」と指摘。投資家に対しては、暗号資産のリスク管理を怠らないよう促した。
こうしたなか、市場の関心はSBITが抵抗帯を突破できるかどうかに移っている。実際にこの水準を上抜ければ、弱気優勢を確認するシグナルとして受け止められる可能性がある。その場合、ビットコインは少なくとも2026年秋口まで、安値圏での推移が続くとの見方も出ている。
今回の論点は、単純な一段安の予測というより、相場が時間調整に入る可能性にある。目先に大幅な下落がなくても、ビットコインが長期のもみ合い局面に入るとの見方が広がっており、夏場の力強い反発を見込むシナリオは後退している。