写真=Starlink

SpaceXの衛星インターネットサービス「Starlink」は、住宅向けサービスで端末の提供方式を見直し、一部市場で月額10ドル(約1500円)のレンタル制を導入した。従来の端末購入に代えて前払い費用を不要とし、月額課金に切り替える。

米ITメディアArs Technicaが9日(現地時間)に報じた。それによると、Starlinkは一部の国で、端末を一括販売する従来方式から月額レンタル方式へ移行している。

住宅向けの注文ページでは現在、衛星アンテナとWi-Fiルーターを含む「Starlinkキット」の初期費用が0ドルと表示されている。加入者は通信料金とは別に、端末レンタル料として毎月10ドルを支払う必要がある。

あわせて月額料金も引き上げた。既存プランは月5〜10ドル(約750〜1500円)値上げされ、100Mbpsプランは55ドル(約8250円)、200Mbpsプランは85ドル(約1万2750円)、最大400MbpsのMaxプランは130ドル(約1万9500円)となった。設置サービスは1回199ドル(約2万9850円)で、Maxプラン契約者は追加料金なしで利用できる。

ただ、この端末レンタル制は全世界で一律に導入されるわけではない。Starlinkのサポート文書では、一部の国でハードウェアのレンタルを開始したと説明しており、米国、カナダ、英国、フランス、オーストラリア、メキシコなどで同様の方式が確認されている。

レンタル制には制約もある。端末をレンタルしている加入者はサービスを一時停止できず、既存のレンタル利用者が購入へ切り替える場合は、カスタマーサポートを通じた別途手続きが必要になる。

一方、すでにStarlink端末を保有している利用者は、新規契約時に端末識別番号を登録すれば、月10ドルのレンタル料は不要となる。

Starlinkはこれまでも端末価格をたびたび見直してきた。サービス開始初期の2020年はキットを499ドル(約7万4850円)で販売し、2022年には599ドル(約8万9850円)に引き上げた。2024年には地域ごとのネットワーク混雑に応じて499ドルまたは299ドル(約4万4850円)に価格差を設け、昨年は一部の国と米国の特定地域で、12カ月契約を条件に端末を無償提供するプロモーションも実施した。

当時、無償端末付きプランの月額料金は120ドル(約1万8000円)で、同じサービスを端末購入方式で利用する場合は月90ドル(約1万3500円)水準だった。

もっとも、長期利用者にとってレンタル制が必ずしも有利とは限らない。月10ドルのレンタル料を3年間支払うと総額は360ドル(約5万4000円)となる。

一部の小売店では、Starlinkの標準アンテナが349ドル(約5万2350円)で販売されており、セール時には199ドル(約2万9850円)や89ドル(約1万3350円)まで下がった例もあるという。

業界では、今回の見直しはStarlinkの収益性強化と連動した施策との見方も出ている。Starlink事業は今年1〜3月期、SpaceX全体の売上高46億9000万ドル(約7035億円)のうち32億6000万ドル(約4890億円)を占め、主要な収益源に位置付けられた。

今後もStarlinkは、地域ごとの需要やネットワーク状況に応じて、端末価格や月額料金、割引施策を継続的に調整するとみられる。新規契約時の負担は軽くなる一方、長期利用では総コストが膨らむ可能性もあり、利用者の実質負担がどう変わるかが焦点になりそうだ。

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