3メガバンクの共同ステーブルコイン構想は、決済に加えて証券決済分野での活用も焦点となっている。写真=Shutterstock

MUFG銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクが、共同ステーブルコインの発行に向けて動き出す。2026年度中の実現を目指し、近く基本合意を交わしたうえで協議体を設け、運営の枠組みを詰める。決済用途にとどまらず、証券決済の実証での活用も想定している。

CoinPostが10日に報じたところによると、3行は共同発行の具体化に向けた協議を本格化させる。発行スキームは、3行が必要な認可の取得を前提に、信託銀行が発行を受託する形を想定する。協議体は当初3行を中心に立ち上げるが、将来的には他の金融機関への参加拡大も視野に入れる。

3行による共同ステーブルコイン構想は、今回初めて浮上したものではない。日本経済新聞はこれまで、3行が共同発行を進め、2025年度内の実用化を見込んでいると報じていた。その後、金融庁が3行などによるステーブルコイン発行の実証実験を支援する方針を示し、制度面の議論が本格化した。

金融庁は決済分野に特化したプロジェクトを新設し、みずほ銀行、MUFG銀行、三井住友銀行による共同ステーブルコイン発行を最初の支援案件とした。当時のプロジェクトは、ブロックチェーン技術を活用した決済高度化に主眼を置いていた。カタヤマ・サツキ財務相も、トークン化預金やステーブルコインなど、ブロックチェーン基盤の決済高度化を巡る議論が進んでいるとして、法令解釈などの面から実行を後押しする考えを示していた。

今回の構想は、証券決済分野にもつながる。2026年に入り、大和証券、野村証券、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループの5社は、ブロックチェーン上のデータを活用し、国債や株式など伝統資産の取引を検証する実証実験計画を公表した。

この実証実験では、デジタルマネーと有価証券を扱うブロックチェーン上のスマートコントラクトを連動させ、証券決済の実務対応を検証する。発表資料では、デジタルマネーとして3行が共同発行を検討しているステーブルコインの活用を想定していることが明記された。銀行主導の共同ステーブルコインが、単なる送金手段にとどまらず、資本市場インフラと結び付く方向で議論が進んでいることを示している。

今後の焦点は、認可手続きと参加機関の拡大にある。3行はまず共同運営の枠組みを整え、発行スキームを整理したうえで、外部の金融機関との連携を広げる公算が大きい。日本の金融業界におけるステーブルコインの議論は、個別銀行による実証の段階から、共同決済網の整備、さらに証券決済での活用へと移行しつつある。

キーワード

#ステーブルコイン #3メガバンク #共同発行 #証券決済実証 #金融庁
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.