NH農協銀行は6月9日、AIを単なる業務自動化ツールではなく、金融サービス全体を変革する中核に据える「NH Agentic AI Bank」構想を打ち出した。ソウル市中区の本店で「NH Agentic AI Bank Vision Day」を開き、Agentic AIへの転換ビジョンを発表した。
同社は今後の金融ビジョンとして、「顧客の思いに応えるエージェンティックAIバンク」を掲げた。AIが金融のあり方そのものを変えつつある中、顧客の日常をより深く理解し、行員の業務能力を拡張する方向で銀行運営を見直す考えだ。
実行戦略は大きく3つある。まず、AIプラットフォーム「NHAIS」を基盤に、全行員がAIエージェントを自ら作成し、業務に活用できる体制を整える。特定部門や専門人材に限らず、全行的にAIを活用する運営モデルを目指す。
次に、金融業務全般でAI活用を進める「AI Full-Banking」を推進する。多様なAIエージェントサービスを拡充し、顧客対応、内部業務、金融サービス提供の各プロセスでAIの活用範囲を広げる計画だ。
あわせて、外部AIエコシステムとの連携も強化する。AI企業の買収や協業拡大を通じて将来のAI金融エコシステムを構築し、安定したAI運用基盤を確保するため、AIデータセンターへのインフラ投資にも乗り出す。
同日のイベントでは、AI転換の実行組織「AXフロンティア」77人の発足式も行った。AI技術企業のAgileSoDAの買収セレモニーに加え、NHオープンビジネスハブの2026年度協業企業選定式も開いた。
NH農協銀行は、社内の革新組織と外部の技術企業を結び付け、AI戦略を実際の顧客体験や事業革新につなげる方針だ。
カン・テヨンNH農協銀行長は、ホログラム形式のスピーチでAI時代における金融の変化の方向性を示した。
カン氏は「金融の競争力は技術そのものではなく、顧客とどれだけ深くつながり、実行に移せるかにかかっている」とした上で、「韓国金融の新たな基準をつくっていく」と述べた。