RWA(実物連動資産)市場は拡大が続いている。写真=Shutterstock

暗号資産市場の停滞が続くなかでも、実物連動資産(RWA)市場の拡大が鮮明になっている。金融機関の参入に加え、対象資産の多様化が進んでおり、2025年初から2026年6月にかけて市場全体は589%増と大きく伸びた。

Cointelegraphは6月8日(現地時間)、マクロ環境の逆風や政策面の不透明感が続くなかでも、RWAが暗号資産業界における数少ない成長分野として存在感を高めていると報じた。伝統金融によるブロックチェーン活用が加速し、投資対象は債券や株式にとどまらず、不動産や貴金属にも広がっているという。

Binance Researchの最新の月次市場インサイトによると、RWA市場は全体として急拡大した一方、資産クラスごとに伸びには差がみられた。

債券やマネー・マーケット・ファンド(MMF)などは、同期間に83%増加した。市場には新たに約65億ドル相当の価値が加わり、市場拡大を支える安定的な柱となった。

なかでも高い成長率を示したのがトークン化株式だ。同資産は同期間に422%増加し、RWA市場で最も成長の速い分野に浮上した。

成長を支えたのはOndo Global Marketsなどのプラットフォームで、ローンチから8カ月で預かり資産残高は10億ドルを超えた。

トークン化株式の広がりは上場企業株にとどまらない。未上場の民間企業にも対象が広がっており、KrakenがxStocksプラットフォームで提供したSpaceXのトークン化株式が代表例として挙げられている。

xStocksはローンチから約8カ月で累計取引額が250億ドルを超え、影響力を急速に高めた。米証券取引委員会がトークン化株式に関するイノベーション免除の容認計画を延期したと伝わった後も、投資家の関心は衰えていないという。

一方、マクロ経済への不安を背景に、安全資産需要を取り込んだ貴金属のトークン化も拡大した。トークン化貴金属には、地政学リスクが高まった今年1〜2月に資金が集中し、この2カ月間だけで15億ドルが流入、39%の成長率を記録した。

トークン化された金の市場規模は一時60億ドルを上回ったが、その後は世界的な金価格の調整を受け、足元ではやや縮小している。

金融資産やコモディティを中心に進んできたトークン化の流れは、不動産にも波及している。ブロックチェーンを基盤とする決済・管理システムの導入も進み、Apex GroupはGoldman Sachsのデジタル資産プラットフォームを活用したファンドサービスの提供を始めた。

これは、大手金融機関が資産運用の効率性と信頼性を高めるインフラとして、ブロックチェーン技術を積極採用していることを示す事例といえる。

こうした動きは投資商品の提供にとどまらず、金融システムの中核インフラの見直しにも及んでいる。商業銀行は、急成長するステーブルコインに主導権を奪われないよう決済基盤の近代化を急いでおり、トークン化預金ネットワークの構築を本格化させている。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、JP Morgan Chase、Citibank、Bank of America、BNY、Wells Fargoが出資する決済運営会社The Clearing Houseは、来年中にトークン化預金ネットワークを投入する予定だ。

こうした既存金融によるインフラ取り込みが本格化するなか、Binance Researchは、2026年をRWAトークン化が国債中心の局面を脱し、多様な収益エコシステムへ成熟する重要な転換点と位置付けている。

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