XRPの評価モデルを示したジェイク・クレイバーCEO(写真=ジェイク・クレイバー氏のXより)

XRPが日次50億ドル(約7500億円)規模の取引を継続的に処理するとの前提に基づき、1XRP当たり約58ドル(約8700円)と算出する評価モデルが示された。成功確率を35%と見積もって織り込むと、確率加重後の評価額は20ドル台に低下する。もっとも、これは将来の市場価格を予測するものではないとしている。

ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」は8日(現地時間)、Digital Ascension Groupの最高経営責任者(CEO)ジェイク・クレイバー氏が、スーザン・アシー氏とロバート・ミッチニック氏の研究「暗号資産のための基礎価値評価フレームワーク」を基に、XRPの評価モデルを提示したと報じた。

このモデルは、XRPの価格を単純な需給だけでなく、ネットワーク利用量、流通量、保有パターン、長期需要を踏まえて推計するのが特徴だ。取引量や供給量、保有期間などの主要変数を変更し、複数のシナリオを検証できるという。

基本シナリオでは、XRPが日次0.005兆ドル、すなわち50億ドル(約7500億円)の取引を処理するケースを想定した。決済や流動性の分野でXRPネットワークの利用が安定的に進む一方、過度な拡大には至らない水準を前提に置いた。

供給面では、足元の流通量727億7000万XRPに加え、今後エスクローまたはロックアップされる数量として271億XRPを織り込んだ。

あわせて、Rippleのエスクロー構造も反映した。エスクローから毎月約3億XRPが追加で市場に出る可能性を前提とし、年換算で36億XRP、3年間で108億XRPの増加として計算した。

クレイバー氏は、こうした条件が現実化するまでに3年を要すると仮定した。そのうえで、3年後の流通量は727億7000万XRP、エスクロー残高は271億XRPとする設計にした。

取引効率を示す変数としては、決済準備率を4に設定した。これはXRP1単位が複数単位の取引価値を支えることを意味する。割引率は3%、シナリオの成功確率は35%とした。

保有期間も価格を左右する要素として組み込んだ。XRPの平均保有期間は20日と設定した。トークンがウォレットに長くとどまるほど、市場で直ちに利用できる数量が減り、価値が高まりやすくなるとの考え方だ。

長期需要には、1兆5000億ドル(約225兆円)の価値保存需要を盛り込んだ。この数値はXRPの時価総額を指すものではなく、利用者がどの程度XRPを保有しようとするかを示す仮定値だとしている。

これらの前提を当てはめた結果、モデルはシナリオが成功した場合のXRPの現在価値を1XRP当たり約58ドル(約8700円)と試算した。

一方、成功確率35%を反映した確率加重ベースでは、1XRP当たり20ドルをやや上回る水準まで低下した。58ドルは「想定した採用水準に到達した場合の価格」、20ドル台は「不確実性を織り込んだ、より慎重な推計値」と位置付けている。

今回のモデルは、XRPが割安かどうかを巡る議論が続くなかで示された定量評価の試みとして注目される。ただ、この計算結果をそのまま将来価格の見通しとみなすべきではない。

クレイバー氏自身も、各パラメータが想定通りに推移した場合の公正価値を示したにすぎず、XRPの将来価格を予測するものではないと説明している。

今後の焦点は、モデルが前提とする条件が実際のネットワーク利用、供給構造、長期保有需要につながるかどうかだ。とくに、日次50億ドルの取引処理、エスクロー分の市場流通、保有期間の変化、価値保存需要の拡大が同時に進むかが問われる。

クレイバー氏はXへの投稿で、「BBMMサイト上でロバート・ミッチニック氏のXRP評価計算機を再現した。Athey-Mitchnickの暗号資産評価モデルの前提を変えながら、XRPの想定価格を見積もれる計算機を試してほしい」と述べた。

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