Rippleの元最高技術責任者(CTO)デイビッド・シュワルツ氏は、XRP Ledger(XRPL)が決済中心のブロックチェーンから、RWAやステーブルコイン、機関投資家向け商品の流通を支えるトークン化金融インフラへと役割を広げているとの見方を示した。足元では、RWAやステーブルコイン関連の指標も伸びている。
ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」が8日(現地時間)に報じたところによると、シュワルツ氏はXRPLについて、実物資産連動型資産(RWA)やステーブルコインを取り扱う基盤へと進化していると説明した。
シュワルツ氏は最近の「XRP in a Minute」で、Bitcoinは中央集権的な仲介者がいなくても、パブリックブロックチェーン上で価値を安全に保管し移転できることを示したと語った。そのうえで、XRPLはさらに一歩進み、自前のデジタル資産に加え、ステーブルコインやトークン化されたRWA、その他の金融商品を表す発行資産にも対応してきたと述べた。
企業による活用も広がっている。シュワルツ氏は、すでに企業がXRPL上でRWAのトークン化を進めていると説明。今後は証券、マネー・マーケット・ファンド(MMF)、株式、レポ取引、ローンなど、より幅広いトークン化金融商品がネットワーク上で扱われるようになるとの見通しを示した。
また、分散型金融(DeFi)サービスについても、こうしたトークン化資産を活用することで、従来は銀行や金融機関が担ってきた機能を提供できると指摘した。
市場では、実利用の広がりを示す指標にも注目が集まっている。XRPコミュニティ関係者のBankXRPは、2026年1〜3月期のXRPLにおけるRWA時価総額が22億5000万ドルとなり、前四半期比124%増だったとした。
同四半期はXRP価格が軟調に推移したものの、XRPLの日次取引件数は前四半期比35.3%増の248万件に達した。価格動向とは別に、ネットワーク利用は拡大しているとの見方を示している。
ステーブルコインもXRPL拡大の中核を担う存在になりつつある。BankXRPは、Ripple USD(RLUSD)について、エコシステム内の流動性レイヤーとしての役割を強めていると評価した。
Wormholeとの統合により、RLUSDは現在40超のブロックチェーンで利用されており、時価総額は約17億ドル規模という。このうち約3億4000万ドルがXRPL上にあるとBankXRPは主張した。
BankXRPは最近の実証事業の例として、Ripple、JPモルガン・チェース、Ondo Finance、Mastercardが参加した取り組みを挙げた。国境をまたぐトークン化国債の償還プロセスにおいて、銀行が現金決済を担い、XRPLがトークン化資産の処理を担う役割分担が示されたとしている。
そのうえでBankXRPは、XRPLはすでに理論段階を超え、実装段階に入ったと強調した。
一方で、進行中の事業や企業プロジェクトがいつ本格的な運用商品へ移行するかが、今後の普及を左右するとの見方も示した。機関投資家の採用が加速すれば、個人の参加拡大にもつながるとみている。
直近30日間のデータでも、XRPLにおけるトークン化資産拡大の流れが確認された。rwa.xyzの集計によると、XRPLの代表資産価値は30日で13.68%増の35億7000万ドルとなった。
同期間のRWA保有者数は96.43%増の110人に増加し、XRPLエコシステム内のトークン化RWA数は302となった。
個別指標は強弱が分かれた。分散型資産の価値は1カ月で11.31%減の3億8460万ドルだった一方、直近30日のRWA移転額は5013万ドルを記録した。
ステーブルコイン時価総額は前月比78.36%増の8億8850万ドルとなり、30日間の移転取引額は119.74%増の46億7000万ドルに達した。ステーブルコイン保有者数も5万9000人へ小幅に増えた。
こうした動きを踏まえると、XRPLは決済用途にとどまらず、トークン化資産とステーブルコインを成長の柱とする方向へ軸足を移しつつある。実証段階の取り組みが機関投資家向けの本格商品へどの程度の速度で移行するかが、次の焦点となりそうだ。