Bitmine Emergent Technologiesは、イーサリアム(ETH)の保有量を554万3872ETHまで積み増し、総供給量の4.59%を保有する規模になった。直近1週間で約12万7000ETHを追加取得し、同社が掲げる「総供給量の5%保有」目標の達成率は92%に達した。
Cointelegraphによると、Bitmineは8日までにこうした保有状況を公表した。同社はこの戦略を「Alchemy of 5%」と位置付けている。
7日時点の保有資産の内訳は、554万3872ETH、204BTC、現金2億4700万ドル(約370億円)に加え、Beast IndustriesとEightco Holdingsの持ち分。ETH保有量では、追跡対象となる上場企業32社の中で最大となった。
保有するETHのうち472万ETHは、バリデーターインフラを通じてステーキングしている。現在ステーキングしている分だけでも、年換算で2億3000万ドル(約345億円)の収益を見込むという。さらに、MAVANとその他のステーキングパートナーを通じて全保有分をステーキングした場合、報酬は2億7000万ドル(約405億円)まで増える可能性があるとしている。
相場変動が続くなかでも、トム・リー会長は、人工知能(AI)の進展がイーサリアムをはじめとするパブリックブロックチェーンの需要を押し上げる可能性があると指摘した。そのうえで、「イーサリアムは信頼できる分散型ブロックチェーンだ」と評価した。
CoinGeckoとYahoo Financeの集計によると、BitmineのETH保有量は2位のSharplinkの86万8699ETHを大きく上回り、6倍超に達する。発表を受け、Bitmine株は9日に6%超上昇した。ただ、年初来ではなお約38%下落している。時価総額は約95億9000万ドル(約1439億円)としている。
一方で、同社の積極的な買い増しとは対照的に、イーサリアム相場は軟調だ。ETHは年初来で43%超下落し、1月には3000ドルを上回っていた価格が、9日には約1685ドル(約25万2750円)まで下げた。暗号資産市場全体の時価総額も2兆1900億ドル(約328兆5000億円)台と、5月9日の2兆6900億ドル(約403兆5000億円)から縮小している。
こうしたなか、一部の機関投資家はポジション縮小を進めている。Ethereum Foundationは5月に2件の店頭取引(OTC)で2万ETHを売却した。3月の5000ETH売却を含めると、年初来の累計売却量は2万5000ETHとなる。
長期支持者の間でも変化が出ている。Bankless共同創業者のデイビッド・ホフマンは5月、手元に残っていたETHをすべて売却したと明らかにした。長年語られてきた「イーサリアム=通貨」という見方については、かなりの部分が実現したとの認識を示している。
その一方で、ホフマンはイーサリアムネットワーク自体には引き続き強気の見方を維持した。ただ、今後の成長の相当部分がトークン価格にそのまま反映されない可能性があるとも指摘した。レイヤー2ネットワークや他のエコシステム参加者が、ブロックチェーン上で生み出される経済価値の相当部分を取り込んでいるためだという。
Bitmineの今回の保有拡大は、ETH価格が弱含む局面でも大口保有企業の積み増し戦略が続いていることを示した。今後の焦点は、同社が5%保有目標を達成できるかどうか、そして大規模なステーキング戦略が実際の収益拡大につながるかに移る。