韓国のIPTV大手3社が、2024年の情報セキュリティ投資をそろって拡大した。個人情報や決済情報、視聴履歴などを扱う放送プラットフォームとして、セキュリティ関連投資の重要性が一段と高まっているためとみられる。
投資額ではSK Broadbandが最大だった一方、IT投資額に占める情報セキュリティ投資比率ではKT skylifeがトップとなった。LG HelloVisionは投資額でKT skylifeを上回ったものの、投資比率は3社で最も低かった。
韓国インターネット振興院(KISA)の情報セキュリティ開示総合ポータルによると、2024年時点でSK Broadband、KT skylife、LG HelloVisionの3社合計の情報セキュリティ投資額は328億2877万ウォンだった。前年度の307億9985万ウォンから約6.6%増加した。
SK Broadbandの2024年の情報セキュリティ投資額は281億1519万ウォンで、3社中最大だった。総IT投資額5766億8911万ウォンに対する投資比率は4.9%だった。
KT skylifeの情報セキュリティ投資額は16億9692万ウォンで、3社では最も少なかった。ただ、IT投資額193億3732万ウォンに占める比率は8.8%と、3社で最も高かった。
LG HelloVisionの情報セキュリティ投資額は30億1667万ウォンだった。金額ではKT skylifeを上回ったが、IT投資額943億8544万ウォンに対する比率は3.2%にとどまり、3社で最低だった。
各社とも、前年に比べて情報セキュリティ投資比率を引き上げた。KT skylifeは7.7%から8.8%へ1.1ポイント上昇。SK Broadbandは4.6%から4.9%へ0.3ポイント、LG HelloVisionは2.6%から3.2%へ0.6ポイント、それぞれ上昇した。
専任人員の規模でもSK Broadbandが先行した。2024年の情報セキュリティ部門の専任人員は、社内28.3人、外部委託89.7人の計118人。IT部門全体に占める比率は5.2%だった。
KT skylifeの専任人員は、社内7人、外部1.6人の計8.6人で、規模は3社で最も小さかった。一方、IT部門人員に占める比率は7.9%で最も高かった。LG HelloVisionは社内8.5人、外部委託10.8人の計19.3人で、比率は4.5%だった。
一方で、投資額の拡大だけで運用面のリスクがなくなるわけではない。最近、個人情報流出事故が発生したTVINGの2024年の情報セキュリティ投資額は17億6510万ウォンで、KT skylifeの16億9692万ウォンと同水準だった。
TVINGのIT投資額に占める情報セキュリティ投資比率は6.7%で、SK Broadbandの4.9%とLG HelloVisionの3.2%を上回り、KT skylifeの8.8%は下回った。
業界では、投資拡大とあわせて実際のセキュリティ運用体制の強化が重要だとの見方が出ている。IPTVとOTTはサービス形態こそ異なるものの、加入者の個人情報や決済情報、利用履歴などの機微情報を扱う点は共通しているためだ。
とりわけ放送・コンテンツプラットフォームは、モバイル、VOD、バンドル商品、広告・レコメンドサービスへと領域を広げており、個人情報の活用範囲も拡大している。このため、単純な投資規模だけでなく、全体のセキュリティ管理体制そのものを強化すべきだとの指摘がある。
セキュリティ業界関係者は「メディア業界は、想像以上に多くの個人情報を扱う分野だ」とした上で、「個人情報へのアクセス権限管理、異常兆候の検知、暗号化、外部委託先や協力会社のセキュリティ管理、事故対応訓練など、顧客情報を扱う全てのプロセスで対応を強化する必要がある」と述べた。