資産運用会社Bitwiseのハンター・ホスリーCEOは8日、暗号資産投資家に対し、短期的なニュースや価格変動に振り回されるのではなく、プロジェクトの進展や年初来のパフォーマンスを軸に判断すべきだとの考えを示した。AIやロボティクス、宇宙関連に資金が向かう中、暗号資産市場でもモメンタム一辺倒からファンダメンタルズ重視へと視線が移りつつある。
ブロックチェーンメディアのCryptopolitanによると、ホスリーCEOはXへの投稿で、1週間や1カ月単位のニュースと値動きだけに注目すべきではないと指摘した。ビットコインが約6万2800ドルで推移する局面でも、投資判断ではプロジェクトの実質的な進展と資産の年初来実績を見るべきだと訴えた。
同氏が挙げた判断材料は、オンチェーン指標の伸び、プロダクト・マーケット・フィット、企業や機関との統合状況、プロジェクトチームの実行力などだ。暗号資産投資家はAIや宇宙技術分野の高いリターンをうらやみがちだとしつつも、大きな技術革新は時間をかけて実を結ぶと指摘した。
その例として、SpaceXは2002年の設立後に複数の失敗を経験し、OpenAIも2015年の設立から7年を経てChatGPTで広く知られるようになった点を挙げた。
ホスリーCEOは、暗号資産投資家と機関投資家資金では時間軸が大きく異なるとも述べた。5日に公開されたMilk Roadのインタビュー内容を引用し、暗号資産投資家は1時間、1日、1週間といった短い時間軸での変化に慣れている一方、機関投資家資金はより長期の視点で動くと説明。今後の市場では、こうした資金の方がなじみやすくなる可能性があるとの見方を示した。
Bitwiseの最高投資責任者(CIO)、マット・ホーガン氏も2日付の市場メモで、暗号資産市場はモメンタム取引から逆張り投資へと移る、調整を伴う転換局面にあると分析した。Hyperliquid、Zcash、Stellar、BNBがそれぞれ72%、50%、44%、17%上昇したことを挙げ、相場全体の一律上昇というより、個別資産ごとの価値が見直されている動きだと説明した。
ホーガン氏は、機関投資家資金の流入を左右する要因として、デジタル資産市場明確化法案(通称クラリティ法)にも言及した。同法案は、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の管轄をより明確にし、デジタル商品取引プラットフォームやブローカー、ディーラーに関する規制の枠組み整備を盛り込んでいる。
Bitwiseの経営陣は、暗号資産市場の次の成長ドライバーはミームコイン投機ではなく、プロジェクトを一般企業と同様の尺度で評価する資金になるとみている。