ビットコイン(BTC)の有力な底値圏は4万6000〜5万4000ドル――。オンチェーン分析企業Glassnodeが、過去の市場サイクルと各種オンチェーン指標を基に、下値のメドとなる価格帯を示した。特定の価格を「底」と断定するのではなく、確率の高い支持帯として捉えるべきだとしている。
Glassnodeの共同創業者ラファエル・シュルツークラフト氏は8日(現地時間)、同社データに基づくビットコイン相場の主要な支持線と抵抗線に関する分析を公表した。ブロックチェーンメディアのCoinPostが伝えた。
同氏によると、ビットコインは足元で約6万2000ドルで推移しており、史上最高値からは約50%下落した水準にある。ただ、底値は事前に一点で特定できるものではなく、価格帯と確率、相場局面の変化を見極めるための基準として捉える必要があると説明した。
今回の分析で最も注目したのは、4万6000〜5万4000ドルのレンジだ。4万6000ドル近辺には代表的なオンチェーンの底値指標であるCVDD(Cumulative Value Days Destroyed)が位置し、5万4000ドル前後には実現価格(Realized Price)がある。Glassnodeは、これら2つの指標が過去の複数サイクルで強い支持線として機能してきたとし、このゾーンを最も有力な底値圏と位置付けた。
一方、現在の相場はそれより上の水準にある。ビットコインは、中央実現価格(Central Realized Price)の約6万4100ドル、200週移動平均線の約6万1700ドル近辺で推移している。市場ではまず、このゾーンを支持線として維持できるかが短期的な方向感を左右する重要なポイントとみられている。
Glassnodeは、より弱気のシナリオにも言及した。3万5000〜4万ドルは、均衡価格(Balanced Price)とデルタプライス(Delta Price)が示す領域で、投げ売りを伴うような急落局面を想定した価格帯だという。
過去データでは、この水準に達した営業日は全体の3%未満にとどまった。完全には排除できないものの、現時点では相対的に可能性の低いシナリオと位置付けている。
過去の相場サイクルと比べると、今回の下落率はなお限定的との見方も示した。ラファエル氏によれば、過去の主要な弱気相場では高値から85%、84%、77%の下落が発生したのに対し、今回は史上最高値から約50%の下落にとどまっている。
同氏は、市場の成熟が進んでいることで、過去と同じ規模の急落がそのまま繰り返されるとは限らないとも指摘した。今回のサイクルでは、底値圏が相対的に高い水準で形成される可能性があるとしている。
上昇局面で確認すべき主要な抵抗線も示した。Glassnodeは7万5000〜7万9000ドルを、最初の戻りの節目として挙げた。この価格帯には、短期保有者のコストベース(Short-Term Holder Cost Basis)やTrue Market Mean、200日移動平均線が集中しているという。
同氏は、このゾーンを回復し、支持線へ転換できれば、市場回復の初期シグナルと解釈できると説明。その後は50週移動平均線が追加の抵抗帯として意識されるため、単なるテクニカルリバウンドにとどまらず、トレンド転換に至るかを見極めるうえで、この水準を上抜けられるかが重要になるとした。
今回の分析は、ビットコインの絶対的な最安値を予測するものではない。投資家が参照できる、確率ベースの支持線と抵抗線を示した点に意義がある。
今後の最大の焦点は、200週移動平均線と中央実現価格が位置する6万ドル前半を守れるかどうかだ。加えて、ビットコインが7万5000ドル超の水準を回復できるかが、次の相場トレンドを占う重要な分岐点となる。