生活リズムの乱れと老化指標の関連を示した研究結果が報告された(写真=Shutterstock)

生活リズムが規則的な人ほど、生物学的老化の進行が遅い傾向があることが分かった。Johns Hopkins Universityブルームバーグ公衆衛生大学院の研究チームが、平均年齢68歳の207人を対象に、活動・休息リズムと血液中の老化バイオマーカーの関連を分析した。6月6日付でGigazineが伝えた。

研究チームは、参加者に手首装着型の機器を1週間着用してもらい、24時間の活動と休息のパターンを追跡した。休息には夜間の睡眠や昼寝に加え、座って読書する、食事をするといった低活動の時間も含めた。

分析では、活動・休息パターンの規則性に加え、それぞれの状態が強く現れる時間帯や、休息期と活動期の差も調べた。

その上で、血液サンプルから算出したエピジェネティッククロック(後成遺伝学的時計)と生活リズムのデータを照合した。エピジェネティッククロックは、DNAメチル化の変化に基づいて生物学的年齢を推定する指標だ。

解析の結果、生活リズムが規則的な参加者ほど、生物学的老化が遅い傾向がみられた。一方、活動と休息の切り替わりが多く、リズムが断片化している参加者では、生物学的老化が速い傾向が示された。

こうした関連は、実年齢や性別、学歴、特定の健康状態などを補正した後も維持された。研究チームによると、この傾向は女性と白人の参加者でより顕著だったという。

共同著者でJohns Hopkins Universityブルームバーグ公衆衛生大学院教授のアダム・スピラ氏は、活動と休息のリズムは成人の生物学的老化の速度を示す有用な指標になり得ると説明した。今後、追加研究で裏付けが得られれば、生活リズムは老化の進行を遅らせる介入対象になる可能性もあるとしている。

もっとも、今回の研究は、ある時点で測定した生活リズムと生物学的年齢の関連を調べた横断研究にとどまる。数週間から数カ月以上にわたって参加者を追跡し、生活リズムが継続的にどのような影響を与えるかを検証したものではない。

生活リズムと生物学的年齢のどちらが相互に影響しているのかについても、現時点では明らかになっていない。

それでも、研究チームが示した方向性は既存研究の知見と重なる。先行研究では、生活リズムの乱れが炎症の増加や脳の萎縮と関連する可能性が示されており、今回の結果もそうした流れに沿うものといえる。

ScienceAlertは、個人に合った自然な生活リズムを保つことが、全体としてより良い健康アウトカムにつながる可能性があると指摘した。一方で、生活リズムと老化の関係をより明確にするには、長期追跡による追試が必要だとしている。

今回の研究は、生活習慣の管理が体調維持にとどまらず、老化指標とも結び付く可能性を示した。今後は、規則的な生活リズムが実際に老化の速度を抑えるのか、どの集団で効果がより明確に表れるのかが検証課題となる。

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