写真=ミラ・ムラティ氏のXアカウント

OpenAIでCTOを務めたミラ・ムラティ氏が設立したAIスタートアップ、Thinking Machinesが、人間中心の対話モデルを軸に従来の大規模言語モデル(LLM)との差別化を進める方針を示した。

ムラティCEOはBloombergのインタビューで、同社が目指すAIの方向性を明らかにした。

それによると、既存のAIモデルの多くは、ユーザーの入力を受けて応答を生成している間、周囲の状況を取り込めない「ターン型」で動作してきた。Thinking Machinesは、こうした仕組みではAIが応答を準備している間、実質的に外部の変化を認識できなくなる構造的な制約があるとみている。

その代替として同社が掲げるのが、「時間ベース(Time-based)」の相互作用モデルだ。音声、テキスト、動画を継続的に取り込みながら出力も行う設計で、人と機械のやり取りをより自然な形に近づけることを狙う。

同モデルはデータを20ミリ秒単位の小さな断片に分けて処理する。これにより、会話中の沈黙や割り込み、同時発話といった、人間同士の対話に含まれる複雑で繊細なニュアンスまで捉えられるという。

ムラティCEOは「これによって、機械と人間の間でより豊かな相互作用を実現できる」と述べた。

また、競合各社が機械の自律性の最大化に注力する一方で、Thinking MachinesはAIを複雑な相互作用や人間の意図を取り込む「tools for thought」へと発展させることに焦点を当てると強調した。

「human-in-the-loop」についても、単なる承認プロセスではないと説明。AIが単独で進化するのではなく、人間とAIシステムが二人乗り自転車のように協働できる環境を築くことが、同社の中核的な発想であり、差別化の軸になるとの考えを示した。

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