XRPが高値から70%超下落する中、過去の急騰前のチャートや、2020年に米証券取引委員会(SEC)がRippleを提訴した直後の急落局面との類似性を根拠に、反発を期待する見方が出ている。一方で、当時とは市場環境が異なるとして、同じパターンの再現には慎重な声も上がっている。
ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」が6日(現地時間)に報じたところによると、暗号資産関連のYouTuber、ブラックシーは、XRPのチャートに2024年末の急騰前と似た「下落くさび」が現れていると主張した。
ブラックシーはX(旧Twitter)への投稿で、足元のXRPが2024年後半と類似した下落くさびを形成しているとの見方を示した。比較チャートでは、長期の下落トレンドや切り下がる高値、くさび上放れの可能性といった点が共通項として挙げられている。XRPは2024年11月に0.50ドル(約75円)だった価格が、2025年1月には3.30ドル(約495円)まで上昇しており、約2カ月でおよそ7倍になった。
同氏は、今回も同様の値動きとなる可能性があると指摘した。下落くさびの中で複数回のもみ合いを経た後に大きく上昇した前回の流れが、再び現れる可能性があるという。ただし、過去のパターンが同じ結果を保証するわけではないとも付け加えた。市場構造が似ていても、実際に同じ展開になるかどうかは別だとしている。
もっとも、足元の値動きはなお弱い。XRPは過去10カ月で直近高値の3.65ドル(約548円)から約70%下落し、足元では1.09〜1.11ドル(約164〜167円)まで水準を切り下げた。
別の暗号資産アナリスト、デジタル・アウトルックは、今回の調整局面が、2020年にSECがRippleを提訴した直後の急落局面に似ていると指摘した。同氏は、当時XRPを大量に購入した後、価格が0.17ドル(約26円)まで下落したものの、4カ月後には1.97ドル(約296円)まで上昇したと説明。安値からの上昇率は1000%を超えたとしている。
実際、XRPは2020年12月のSECによるRipple提訴を受けて約0.1748ドル(約26円)まで下落した。その後、2021年4月の強気相場では約1.96ドル(約294円)まで反発した。今回の下落を弱気シグナルではなく、買い場とみる投資家がいる背景には、こうした過去の値動きがある。
下落率の大きさも目立つ。XRPは直近7日で13.68%、直近1カ月で23%、年初来で41%下落した。サイクル高値の3.65ドルと比べると、下落率は70%を超える。同期間のビットコインも軟調で、1週間前には7万ドル(約1050万円)を上回っていたが、今回の調整で6万2900ドル(約943万5000円)台まで下落した。ビットコインの下落率は年初来で34%、直近1カ月で25%、直近7日で14.46%となっている。
上昇余地を巡る試算も出ている。デジタル・アウトルックは具体的な目標価格には触れていないが、直近安値の1.09ドルから過去と同じ1200%の上昇が再現されれば、XRPは約14ドル(約2100円)まで上昇する計算になる。ただし、これは過去の値動きを単純に当てはめた試算にとどまり、将来の価格を保証するものではない。
市場では慎重な見方も出ている。Xの利用者モハメド・ゾロは、過去のパターンが将来の値動きをそのまま示すわけではないと指摘した。別の利用者ビラチョチャも、9年前と現在では前提条件が同じではないと述べている。
2024年末のXRP急騰局面では、ゲーリー・ゲンスラー前SEC委員長の辞任発表に加え、暗号資産に前向きなドナルド・トランプ米大統領の当選が重なり、市場全体の投資家心理が改善した。一方、足元ではビットコインの軟調さに加え、リスク資産を回避する動きも続いており、同じパターンが再現されるかは不透明だとの見方がある。
XRPコミュニティ関係者のベットは、投資家に対し、短期的な値動きよりも長期的な開発や学習に目を向けるよう助言した。弱気局面は、エコシステムの中で学び、構築を進める機会にもなり得るとし、XRPとデジタル資産業界はこれまで何度も低迷や「業界終焉論」を乗り越えてきたと語った。
さらにベットは、ボラティリティに疲れた投資家に対し、いったんチャートから距離を置くよう促した。値動きが負担になっているなら休み、より長い時間軸で見直すべきだという趣旨だ。
焦点となっているのは、XRPの急落そのものより、過去の反発パターンが現在の市場でも通用するかどうかだ。下落くさびや2020年の急落局面を根拠に反発を期待する見方がある一方、足元の市場は当時とはマクロ環境も投資家心理も異なる。XRPが過去のような強い回復を示すには、チャート上の類似性だけでなく、市場全体のリスク選好の改善も確認される必要があるとの見方が出ている。