Rippleのステーブルコイン「RLUSD」がXRP Ledger(XRPL)EVMサイドチェーンで利用可能となり、エコシステム内でXRPが担う役割に改めて注目が集まっている。RippleがXRPを「補完資産」と位置付けたことを受け、2018年当時に一部コミュニティで語られていた“中心資産”としての見方との違いが論点として浮上している。
米ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが5日(現地時間)に報じたところによると、XRP支持者として知られるビル・モーガン氏は、RLUSDの展開拡大に伴って示された最近の説明について、2018年当時に市場で期待されていた構図とは異なるとの見方を示した。
発端となったのは、RippleがRLUSDのXRPL EVMサイドチェーン対応を発表したことだ。Rippleは、開発者になじみのあるEVMツールを活用しつつ、XRPLと接続された環境でサービスを構築できると説明した。あわせて、DeFiやマルチチェーンの金融アプリケーション分野で、規制対応のステーブルコイン需要が拡大しているとの認識も示した。
そのうえでRippleは、RLUSDの対応先ブロックチェーンが広がるほど、XRPは流動性供給や決済・清算、スワップ、担保、支払いなどの面で、より補完的な資産として機能していくとの見方を示した。RLUSDを軸としたマルチチェーン戦略が本格化するなかで、XRPの位置付けを見直す表現が打ち出された格好だ。
これに対しモーガン氏は、こうした説明は過去に一部のXRP支持者が描いていた構想とは異なると指摘した。同氏は「XRPがますます補完資産として機能するというのか。2018年当時に語られていたビジョンとはかなり違う」との趣旨を述べた。
さらに、コミュニティ内で2018年当時のビジョンについて問われた際には、それは一部支持者にとって「all the money」だったと説明した。XRPが世界的な価値移転における支配的なブリッジ資産になるという、従来の期待を指すという。当時の見方は、XRPがグローバルな資金移動の大半を担う中心的な資産になるという点に重きが置かれていた。
もっとも、モーガン氏は今回の発言がXRPの不要論を意味するものではないとも強調した。問題としているのは、XRPの有用性そのものではなく、RLUSDの拡大に伴ってXRPが中心的な資産ではなく補完的な資産として説明されるようになっている点だという。
別の利用者から、同氏がXRP本来のビジョンを誤解しているのではないかとの指摘も出たが、モーガン氏はこれを否定した。自身の理解不足を論じているのではなく、最近のRippleの説明と、過去数年にわたってコミュニティ内で広がってきたストーリーとの間に隔たりがある点を指摘しているのだと改めて主張した。
Rippleは現在、RLUSDの対応先を複数のブロックチェーンへ広げている。その過程でXRPは、エコシステム唯一の中心的な資産というよりも、流動性や決済、担保機能を補完する資産として位置付けられる流れが鮮明になっている。
RLUSDのマルチチェーン展開とXRPの役割見直しが同時に進むなか、Rippleのエコシステムが今後どのような資産構造に落ち着くのかが焦点となりそうだ。