データセンター建設を巡る議論は、電力や用水、土地への負荷にも広がっている。写真=Shutterstock

米ニューヨーク州議会は7日(現地時間)、最大需要20メガワット(MW)以上の大型データセンター新設を1年間停止する法案を可決した。発効にはキャシー・ホウクル州知事の署名が必要で、判断が焦点となる。

TechRadarによると、法案の対象は最大需要20MW以上の施設で、新規開発を1年間見合わせる内容だ。

もっとも、現時点で措置が確定したわけではない。法案はホウクル州知事の署名を経て初めて効力を持つ。知事は承認するかどうかを明らかにしておらず、判断期限は12月までとしている。

今回の法案は恒久的な禁止ではなく、期間を区切った停止措置に当たる。対象もすべてのデータセンターではなく、大型施設に限られる。それでも、州レベルでデータセンター新設に歯止めをかける法的措置として注目を集めている。

州議会が法案を進めた狙いは、データセンターが電力網や環境に与える影響を検証する時間を確保することにある。州の環境当局は、データセンターによる電力、用水、土地需要への負担を整理した報告書をまとめる。

クリスティン・ゴンザレス州上院議員は「州議会が本格的に一線を引く最初の事例の一つだ」と述べた。その上で、「ニューヨークの住民が主導権を握れるようにするのが議会の責任だ」とし、ビッグテックはこれまで「自らルールを作るか、ルールのないまま動いてきた」と指摘した。

政界や地域社会では、データセンターを巡る懸念が強まっている。最近の調査では、米国人の71%が自宅周辺へのデータセンター建設を望まないと回答した。主な理由には水や電力の消費が挙げられ、地域での受け入れにくさは原子力発電所を上回るとの見方も出ている。

こうした対立の背景にあるのがAIだ。大規模な計算需要が急増し、データセンター増設の必要性が高まっているためだ。AI企業は将来的にデータセンター運用の環境負荷を下げられると説明してきたが、計画段階にある多くのプロジェクトは、なおその水準に達していないという。

一方、一部の政治家や業界関係者は、データセンター開発が経済成長と技術発展に不可欠だと主張する。ただ、エネルギー消費や環境影響への懸念に対応する必要がある点では一致している。

論点は、単純な開発の是非を超えつつある。ニューヨーク州は、AIインフラ拡大と電力・環境負荷のバランスをどう取るかを問われている。州知事の判断と環境報告書の内容は、他地域でのデータセンター規制の議論にも影響を与える可能性がある。

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