Goldman Sachs Asset Managementでイノベーター部門の最高投資責任者(CIO)を務めるティム・アーバノビッチ氏は、AI投資の次の収益機会として韓国と台湾に注目すべきだとの見方を示した。米CNBCが6月5日(現地時間)に報じた。
アーバノビッチ氏は、投資家は自国市場の外にも目を向ける必要があると指摘。韓国と台湾を、AIインフラ拡大を支える中核市場として挙げた。
同氏は、新興国株に広く投資する「iShares MSCI Emerging Markets ETF(EEM)」について、韓国と台湾の構成比が大きいと説明した。同ETFは5日の米国市場の終値時点で年初来26%上昇している。
さらに、新興国市場はAI投資における「次の大きな波」になり得ると強調した。米大型テック株を中心にAI関連銘柄への資金流入が続く一方で、韓国と台湾は米国ほどバリュエーションの上昇が進んでいない点を挙げた。
韓国と台湾については、AI産業と関連サプライチェーンの主要プレーヤーだと評価した上で、米国株に比べた割高感の小ささが追加的な収益機会につながる可能性があるとした。
関連ETFの上昇も目立つ。台湾株に投資する「iShares MSCI Taiwan ETF」は、5日の米国市場の終値時点で年初来約67%上昇した。韓国株に連動する「iShares MSCI Korea ETF」は同109%高となっている。
両ETFはいずれも、AIメモリ関連の半導体銘柄を複数組み入れている。
アーバノビッチ氏は、新興国のAI需要拡大の恩恵を取り込む手段として、アクティブETFにも言及した。CNBCに別途送ったメモでは、「Goldman Sachs ActiveBeta Emerging Markets Equity ETF」を、新興国のAI関連需要に対する投資手段の1つとして挙げた。
特定国に投資するETFに限らず、より幅広い新興国ポートフォリオを通じてAI関連の上昇余地を取り込めるとの考えを示した格好だ。
一方で、米国市場に対する強気見通しを崩したわけではない。アーバノビッチ氏は「米国は依然として成功できる位置にある」と述べた。
今回の発言は、AI投資の重心が米国から完全に移るというより、収益機会が米国外の半導体サプライチェーンやメモリのバリューチェーンにも広がり得るとの見方を示したものといえる。
米国のAI恩恵銘柄がすでに大きく上昇する中、市場では、相対的に上昇が限定的だった新興国市場が代替的な投資先となるかどうかに関心が集まっている。アーバノビッチ氏は、米国ほどバリュエーションが上昇していない市場には、なお大きなリターン余地があると指摘した。