LG CNSは6月8日、大規模ITシステムの構築・運用を対象としたAI開発プラットフォーム「DevOn Agentic AIND」を発表した。要件分析からコーディング、テスト、品質検証までを複数のAIエージェントが連携して実行し、企業向け開発の自動化を支援する。
同社は、自然言語ベースのコード生成は、既存システムとの整合性確保や一部修正の影響が全体に波及しやすい点などから、エンタープライズ用途では限界があったと説明する。
こうした課題に対応するため、DevOn Agentic AINDでは、利用者が自然言語で要件を入力すると、顧客要件の分析・設計、コーディング、テスト・品質検証を担う専用AIエージェントが連携し、開発工程を一貫して進める仕組みを採用した。
同基盤は、顧客ごとの開発に向けた「知識基盤」を備える。開発標準、セキュリティ規定、ソースコード、各種成果物といった企業のIT情報をAIが扱える形に構造化し、開発プロセスに反映するという。
あわせて、「仕様主導開発」方式も導入した。事前に定義した基準に沿って設計、コーディング、検証を進めることで、担当者によるばらつきを抑えながら品質の一貫性を確保し、ハルシネーションやエラーの最小化を図るとしている。
DevOn Agentic AINDは、COBOLなど旧来言語で構築されたシステムをJavaへ自動変換するレガシーモダナイゼーションにも対応する。LG CNSによると、従来は数週間以上を要していたコード分析、変換、検証の作業を分単位に短縮できるという。現在は、国内大手金融機関の次世代システムプロジェクトで、同基盤の「COBOL to Java」機能を導入している。
またLG CNSは、米オープンソースAIコーディング企業のClineとDevOn Agentic AINDを共同開発した。今後は米国、日本、東南アジアを中心に、金融、公共、製造、防衛など、セキュリティ要件や規制対応が重い業種のグローバル企業への展開拡大を進める方針だ。
LG CNSでアプリケーションアーキテクチャを担当する専務のアン・ヒョンジョン氏は、「企業システムを理解する専門家レベルのAIエージェントを基盤に、大規模ITシステムの構築・運用を自動化し、企業顧客の生産性革新に貢献していく」とコメントした。