画像=Cardano(ADA)

Cardanoエコシステムで長年活動してきた貢献者「チキン」(@navir333)が、米連邦破産法7章(Chapter 7)の申請とエコシステムからの離脱を表明した。資金難を直接の理由に挙げる一方、Cardanoの研究開発偏重やトレジャリー運用、ガバナンス構造への不満も示している。

ブロックチェーンメディアThe Crypto Basicが6日(現地時間)に報じた。今回の表明は、足元で相次ぐプロジェクト停止やガバナンスを巡る対立を背景に、Cardanoコミュニティ内で注目を集めている。

チキンはX(旧Twitter)への投稿で、離脱の直接的な引き金は個人の資金難だったと説明した。事業負債が膨らんだうえ、約14カ月にわたって失業状態が続き、失業給付も5カ月前に打ち切られたため、Chapter 7を申請するとした。

自身の財務問題については自己責任だとしつつも、独立系開発者が生計を立てにくいエコシステムの構造が事態をさらに悪化させたと指摘した。

あわせて、Cardanoが収益創出より研究開発に重きを置いていると批判した。トレジャリー資金が投じられる研究プログラムについて、実際にどのような価値をトレジャリーへ還元するのか、その仕組みが明確でないと主張している。

こうした支出が十分な経済活動につながらないまま、エコシステム全体の売り圧力を強めたとの見方も示した。

リーダーシップに対する不満も表明した。チキンは、休養に入るとしたCardano創設者のチャールズ・ホスキンソンの発言によって、長期的な経済価値やエコシステムの持続可能性を生み出す明確な戦略が欠けているとの認識を強めたと述べた。

現行のガバナンスについては、トレジャリーの意思決定で資金支援機関の影響力が過度に大きい一方、一般のCardano保有者の影響力は限られていると指摘した。

離脱の判断に影響した事例として、TapToolsの運営終了にも触れた。分析プラットフォームのTapToolsは、数週間以内に事業を終了する計画を明らかにしており、ホスキンソンも厳しい市場環境の下で他のプロジェクトも同様の状況に陥る可能性があると警告していたという。

チキンは、TapToolsの終了について、エコシステムのリーダーシップと開発者、創業者、ユーザーのニーズの間にある乖離を示す事例だと位置付けた。

今後の対応策としては、ハードフォークの可能性にも言及した。リーダーシップの構図を見直し、新たな世代の貢献者がCardanoの進路により大きな影響力を持てるようにする必要があると主張した。

一方で、投稿は批判一辺倒ではなかった。チキンは支援してきたコミュニティメンバーに謝意を示し、エコシステム内で築いた関係については前向きに振り返った。

コミュニティの一部からは、同氏の貢献を評価し、今後のキャリア再建を後押しする声も上がっているという。

チキンは、Cerberus、Metera Protocol、SyncAI Networkなど複数のプロジェクトで助言役を務めてきた人物とされる。このためコミュニティ内では、今回の離脱を個人の判断にとどまらず、プロジェクト終了やガバナンスを巡る混乱を抱えるCardanoエコシステムにとっての損失と受け止める向きもある。

こうしたなか、Cardanoの独自トークンADAは一時、時価総額順位で15位圏外に沈む場面もあった。内部対立とプロジェクト縮小が続く中、エコシステムの持続性や意思決定構造への不満にどう対応するかが、今後の焦点となりそうだ。

チキンは投稿で「心苦しいが、Cardanoを去らなければならない。望んでのことではないが、そうせざるを得ない。以前にも投稿したが、気持ちが変わることを期待して削除した。今はもう選択肢がない。Chapter 7を申請する。このエコシステムにすべてを捧げた」と述べた。

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