General Motors(GM)の電気自動車向けに、Apple CarPlayとAndroid Autoを後付けできるサードパーティー製機器が登場した。米新興企業のEV Playが発売したもので、価格は199ドル(約3万円)から。ただ、GMが将来のソフトウェア更新で機能を無効化する可能性もあり、継続して使えるかどうかは不透明だ。
電気自動車メディアのInsideEVsが6月5日(現地時間)に報じたところによると、EV PlayはGMのEVにApple CarPlayとAndroid Autoを追加できる機器「EV Play LT」を発売した。
価格は199ドル(約3万円)。車載Google Playストアから専用アプリをインストールし、USBポートに機器を接続すれば、有線・無線のCarPlayとAndroid Autoが利用できるという。導入にかかる時間は約2分としている。
上位モデルの「EV Play Max」は425ドル(約6万6000円)。CarPlayとAndroid Autoに加え、NetflixやYouTubeなどの動画配信サービスにも対応する。HDMIポート経由でNintendo SwitchやPlayStationなどのゲーム機を車載ディスプレイに接続できるほか、Bluetoothでゲームコントローラーやヘッドフォンも連携できるとしている。
対応車種は、2024〜2026年モデルのChevrolet Equinox EV、Blazer EV、Silverado EVのほか、GMC Hummer EV、Sierra EV、Cadillac Escalade IQ・IQL、Optiq、Vistiqなど。
こうした製品が注目を集める背景には、GMが進めてきた車載ソフト戦略がある。GMはEVでApple CarPlayとAndroid Autoの対応を打ち切り、その方針を今後発売する車両全体にも広げている。
代わりに軸に据えるのが、Googleベースの車載OSだ。GMは、ナビゲーションや充電ルートの計画、バッテリーの事前加温、車両診断などをより深く統合できるとしてきた。
もっとも、ユーザーの受け止めは一様ではない。スマートフォン中心の利用に慣れたドライバーの間では、依然としてCarPlayとAndroid Autoを支持する声が根強い。自動車メーカーごとに異なるユーザーインターフェースを覚える必要がなく、使い慣れたアプリやサービスをそのまま使える点が利点とされる。
一方で、EV Playも万能な解決策ではない。過去には、GMのEVでCarPlayを使えるようにする別のサードパーティー製ソリューションが登場したものの、GMが販売店に設置中止を求めた事例があったという。
EV Playも自社サイトのFAQで、GMが将来的に機能を無効化する可能性を認めている。同社は「GMは最終的に当該機能を遮断できる」「可能な限り対応するが、最終的なシステムの統制権はGMにある」と説明している。
消費者にとって焦点となるのは、価格そのものよりも機能を使い続けられるかどうかだ。EV Play LTは199ドル、上位のEV Play Maxは425ドルに達するだけに、車両ソフトウェアの更新や方針変更で機能が停止する可能性をどう見るかが判断材料になる。
今回の製品は、GMの車載ソフト戦略とユーザーニーズのずれを映す事例ともいえそうだ。完成車メーカーが車載ソフトの主導権を強める一方で、多くのユーザーはなおスマートフォン基盤のプラットフォームを求めているためだ。
EV Playは、GMのEVでCarPlayを再び使いたいオーナーにとって有力な選択肢になり得る。ただ、その機能が今後も維持されるかどうかはGMの対応次第で、不確実性は残る。