写真=(左から)NVIDIAのジェンスン・ファンCEO、SKグループのチェ・テウォン会長

NVIDIAとSK hynixは6月8日、AIインフラ向け次世代メモリの共同開発を含む長期技術提携を締結したと発表した。半導体の設計・製造工程へのAI活用に加え、ファブ運営の自動化に向けたデジタルツイン構築でも協力する。

提携の狙いは、開発期間が長くなりやすい先端メモリを安定的に供給することにある。SK hynixはNVIDIAのAIインフラのロードマップに合わせ、「Vera Rubin」AIスーパーコンピュータ、「Vera CPU」、「RTX Spark」PC、「Jetson Thor」ロボティクス向けコンピューティングプラットフォーム向けのメモリを共同開発する。

NVIDIAの創業者兼CEO、ジェンスン・ファン氏は「AIファクトリーは次世代の産業革命を支えるエンジンであり、その性能を引き出すには先端メモリが不可欠だ」とコメントした。両社は次世代メモリの共同開発を通じ、世界的なAIインフラ拡大を後押しする考えだ。

両社は半導体の設計・製造工程へのAI活用も進める。SK hynixは、回路パターン設計をシミュレーションするTCADとコンピュテーショナル・リソグラフィのワークフローに、NVIDIAの「CUDA-X」ライブラリを活用して高速化を図っているという。

併せて、「PhysicsNeMo」フレームワークを活用したAIベースの物理シミュレーションも進める。これらのツールは電子設計自動化(EDA)エコシステムにも拡張し、半導体メーカーとEDAソフトウェア企業を含む三者連携の枠組みを整える計画だ。

工場運営の自動化に向けたデジタルツイン構築も、今回の協力の柱の一つとなる。SK hynixは、NVIDIAの「Omniverse」ライブラリと「OpenUSD」パイプラインを活用し、半導体製造環境を3Dで再現するファブのデジタルツインを開発している。

さらに、GPUで高速化した経路最適化エンジン「cuOpt」と「Metropolis」プラットフォームを組み合わせ、自律移動ロボットの運用などを通じて、ファブの運営効率の向上を図る。

SKグループのチェ・テウォン会長は「SK hynixとNVIDIAは数年にわたり協力の基盤を築いてきた。今回のパートナーシップは、その関係の深さを示すものだ」と述べた。

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