ビットコイン 写真=Shutterstock

ビットコインは下落基調が続き、節目の6万ドルに接近している。米雇用統計が市場予想を大きく上回ったことで、米連邦準備制度理事会(Fed)の利下げ観測が後退。リスク資産全般に逆風が強まり、暗号資産市場でも売りが優勢となっている。

Cointelegraphが5日(現地時間)に報じたところによると、ビットコインは米株式市場の取引開始後に下げ幅を広げ、直近1週間で約16%下落した。市場では6万ドル水準が再び試される可能性への警戒感が強まっている。

トレーダーのダン・クリプト・トレーズは、ビットコインが2月安値の6万ドルに急速に近づいていると指摘した。日足では陰線が6本連続となり、4月と5月の上昇分を打ち消す下げになったとしている。

短期チャートでも地合いは弱い。トレーダーのモーリンは、BTC/USDが主要レンジ下限を意識した値動きとなっており、6万ドルが視野に入ったとみる。6万1300ドルの直近安値を下抜けた後も高値を切り上げられず、戻り高値も切り下がっていることから、足元では売り手が主導権を握っているとの見方を示した。

一方で、売り圧力の鈍化を示す兆候も一部でみられる。市場解説者のエクシットポンプは、Coinbaseプレミアムを根拠に、相場はなお売り局面にあるものの、資金調達率はほぼマイナス圏まで低下し、Coinbaseのディスカウント幅も縮小していると分析した。Coinbaseプレミアムは、CoinbaseのBTC/USDとBinanceのBTC/USDTの価格差を示す指標だ。

下落の背景にはマクロ環境の変化もある。米国の5月非農業部門雇用者数は17万2000人増と、市場予想の8万5000人増を大きく上回った。失業率は4.3%で予想と一致。4月の雇用者数も当初発表から6万4000人上方修正された。The Kobeissi Letterは、今回の雇用統計について、過去13カ月で2番目に強い内容だったと評価した。

こうした強い雇用指標は、Fedの早期利下げ観測を後退させる材料として受け止められた。市場の流動性期待が弱まり、リスク資産には重荷となりやすい。CMEグループのFedWatchツールによると、市場では年内の利下げ時期が後ずれする可能性も一部で織り込まれている。

Mosaic Asset Companyも、この流れがFedの政策判断を一段と難しくする可能性があるとみる。同社は、5月の雇用統計が米経済と労働市場の底堅さを示す一方、足元の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の上昇基調と重なれば、金融政策見通しの不確実性がさらに高まる可能性があると分析した。

ビットコイン市場は、テクニカル面での下値模索とマクロ要因の重しが同時に意識される局面に入っている。短期的には6万ドルを維持できるかが最大の焦点となるほか、米国勢の需要動向を映すCoinbaseプレミアムや、先物市場の資金調達率の変化も次の方向性を占う重要指標となりそうだ。

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