主要フィンテック各社で決済や送金に関する障害が相次ぎ、サービスの信頼性を巡る懸念が強まっている。キャッシュレス決済や送金サービスが日常的な金融インフラとして定着する中、安定運用に向けたリスク管理と利用者保護体制の強化が改めて問われている。
業界によると、Naver Payでは4日午後5時ごろ、一部のAndroid端末でアプリ起動時に画面が正常に表示されない不具合が発生した。アプリを開いても白画面のままとなり、サービスを利用できないケースがあった。
同社は告知を通じて、「一部Android端末でアプリ起動時に画面が表示されない事象が発生しており、緊急で確認している」と説明。その後、更新版アプリの配布を通じて対応を完了した。Naver Payでは2月にも決済失敗のエラーが発生しており、復旧まで約5時間を要していた。
Tossでは、資金移動に関わる不具合が起きた。1日午後2時ごろから約38分間、自動振替を設定していた一部利用者の口座で同一の振替が2回実行された。影響を受けた利用者は約1万5000人、二重出金額は約21億4000万ウォンに上ったという。
同社は、自動振替処理の過程でシステムエラーが発生したとみており、事象を把握した直後に再発防止措置を講じたと説明した。利用者の不便を抑えるため、二重出金分については自社資金で先行返金した。
Kakao Payでも年初に接続障害が発生した。約29分にわたりサービス接続に支障が出たが、同社は一時的なシステムエラーが原因だったと説明しており、その後サービスは正常化したとしている。
個別の原因や影響範囲は異なるものの、主要3社で障害やエラーが続いたことで、業界全体の信頼性にも影響が及んでいる。
キャッシュレス決済や送金が日常の金融取引に広がる中、アプリの接続障害や決済エラーが繰り返されれば、利用者の目線は一段と厳しくなる。各社はサービス拡大と利用者基盤の拡充を背景に、金融プラットフォームとしての存在感を高めてきた。一方で、決済や送金、自動振替といった日常利用のサービスの比重が増したことで、障害発生時の影響はこれまで以上に大きくなっている。
業界内外では、利用者規模に見合ったシステムの安定性確保と、障害発生時の対応体制の強化が必要だとの指摘が出ている。障害時の利用者への周知や被害救済の手続きが一貫して機能するよう、制度面と社内基準の両面から補完すべきだとの声もある。
金融業界関係者は「キャッシュレス決済と送金は、もはや付随的なサービスではなく、日常的な金融取引の中核になっている。利用者規模が拡大した分、フィンテック各社には、より高い水準で利用者保護体制を整備することが求められる」と話した。
別の関係者は「制度面の見直しとあわせて、フィンテック業界もシステムインフラへの投資と内部統制の強化を続ける必要がある。障害を完全になくすことは重要だが、発生時に利用者被害を最小限に抑える予防策と対応体制の高度化が何より重要だ」と指摘した。