米宇宙企業SpaceXのナスダック上場が12日(現地時間)に予定され、韓国市場でも関連銘柄や宇宙関連ETFへの関心が高まっている。韓国の一般投資家にとってIPOへの直接参加は事実上難しいため、SpaceX株を保有する企業や宇宙関連のバリューチェーン銘柄、ETFが代替投資先として浮上している。
金融投資業界によると、SpaceXは今回のIPOで公募価格を1株135ドルに設定した。市場では、約5億5560万株を売り出し、750億ドルを調達するとの見方が出ている。上場後の企業価値は1兆7500億ドル規模に達する可能性があり、実現すれば米株式市場で過去最大のIPOとなる。
投資家の期待を押し上げた材料として、先月22日(現地時間)に実施した次世代宇宙船「Starship V3」の試験飛行も挙げられる。一部で異常はあったものの、模擬衛星の投入や再突入、海上着水など主要目標は達成したと評価された。
上場を控え、Starshipの商用化やStarlink事業の拡大に加え、宇宙データセンターやAIインフラ事業への関心も強まっている。
もっとも、韓国の一般投資家がSpaceXの公募株を直接取得するのは容易ではない。SpaceXが韓国投資家向けの株式提供方式を「私募」と明示しているためだ。
韓国では、50人以上を対象に公募する場合、証券届出書の提出が必要となる。このため、現行の枠組みでは専門投資家を中心に募集が進む構図となっている。
実際、Mirae Asset Securitiesが5日午前8時30分に始めたSpaceX公募株の第1次募集分3億ドルは、販売開始から1分で完売した。今回の募集は個人・法人の専門投資家向けで、8日には残る2億ドルの第2次募集を実施する予定だ。
韓国株市場では、まずSpaceXへの投資実績を持つ企業に注目が集まっている。Mirae Assetグループは2022~2023年にSpaceXへ投資しており、この過程でMirae Asset SecuritiesとMirae Asset Venture Investmentが参加したとされる。AJU IB Investmentも、米現地法人を通じてSpaceXの既存株投資に加わった企業として取り沙汰されている。
Korea Investment Holdingsにも間接的な関心が向かっている。傘下のKorea Investment ManagementがSpaceXのIPO参加計画を明らかにし、配分を受けた株式を同社のアクティブETFや公募ファンドに組み入れる方針を示しているためだ。
関連バリューチェーン銘柄では、Sphere、HVM、Intellian Technologies、Kencoa Aerospaceなどが注目されている。SphereはSpaceXの打ち上げロケット向け素材を供給する企業として取り上げられている。
HVMは宇宙・航空・防衛向け特殊合金のメーカー。Intellian Technologiesは低軌道衛星通信アンテナ、Kencoa Aerospaceは打ち上げ機構造物部品や航空宇宙向け原材料の分野で、サプライチェーン関連銘柄として関心を集めている。
ETFを通じた間接投資も拡大する見通しだ。Korea Investment Managementは、SpaceXのIPOで配分を受けた株式を「ACE 米国宇宙テック・アクティブETF」と「Korea Investment グローバル宇宙技術&防衛ファンド」に組み入れる計画としている。
Hanwha Asset Managementも、「PLUS 宇宙航空」ETFにSphere、HVM、Kencoa Aerospace、Intellian Technologiesなど韓国の宇宙関連企業を組み入れていると明らかにした。
業界では、韓国のETFのうち、宇宙航空セクターETFや防衛関連との複合型ETFが、SpaceX上場の恩恵を狙う投資先として挙がっている。ただ、韓国の宇宙関連テーマETFは海外未上場資産の組み入れに制約があり、実際にSpaceXを組み入れるのは上場後になるのが一般的だ。その場合、上場直後に上昇した株価を高値で追いかける負担が生じる可能性がある。
上場後の値動きの荒さも変数となる。SpaceXは上場前から投資家の関心が高かっただけに、上場直後の2~3日は急騰する可能性がある一方で、短期の利益確定売りが出る可能性もある。
加えて、米株式市場やハイテク株の動向、米中貿易摩擦、欧州中央銀行(ECB)の金融政策といった外部要因も影響し得る。