Strategyのマイケル・セイラー共同創業者兼会長が、ビットコインの「規律ある拡大」を訴えるエッセイを公表した。現物ビットコインETFから大規模な資金流出が続くなか、同社が32BTCを売却したことも重なり、市場ではStrategyがビットコインを持続的に積み増すとの見方に修正が広がっている。
Cointelegraphが5日(現地時間)に報じたところによると、セイラー会長はエッセイで、ビットコインの基盤レイヤーは中核インフラとして守るべきで、革新は上位レイヤーやカストディーシステム、信用供与の仕組み、金融インフラの領域で進めるべきだと主張した。
そのうえで、ビットコインは現物ETFへの資金流入だけに依存するのではなく、企業財務や担保の仕組み、資本市場の中により深く組み込まれる必要があると強調した。
このエッセイは、ビットコイン相場が大きく下落する局面で公表されたこともあり、市場の関心を集めた。現物ビットコインETFでは、5月末までの直近3週間でそれぞれ14億2000万ドル、12億6000万ドル、10億ドルの純流出を記録。今週に入ってからも、すでに14億ドルが流出した。
市場にさらに衝撃を与えたのが、Strategyによる32BTCの売却だ。2022年の税務関連取引以来となる売却で、優先株の配当原資を確保する目的だったという。
売却規模そのものは小さいものの、「同社はビットコインを売らない」とする市場の前提が崩れた影響は大きかった。同社株(MSTR)は急落し、Delphi Digitalは「『無限蓄積の手段』として捉える市場の見方は、もはや通用しない」との見解を示した。
市場関係者の見方は総じて慎重だ。Bitget Walletなどの一部アナリストは、直近で18億ドル規模の清算が発生したことに加え、資金調達率の急低下や未決済建玉の減少を指摘。ビットコインが5万5000〜5万7000ドルまで下押しする可能性があるとみている。
とりわけ、機関投資家の再参入が確認できなければ、相場が反発の勢いを取り戻すのは難しいとの見方が強まっている。