Grayscaleは3日(現地時間)、Hyperliquid連動のステーキング型上場投資信託(ETF)「HYPG」をナスダックに上場した。信託報酬は0.29%で、米国に上場するHYPE連動ETFとして最低水準となる。
ブロックチェーンメディアのCryptopolitanによると、米市場で提供されるHyperliquid連動ETFは、ここ3週間で3本に増えた。21Sharesは5月12日にナスダックで「THYP」を上場し、信託報酬は0.30%だった。
Bitwiseも5月15日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に「BHYP」を上場した。当初は手数料を無料としていたが、その後は0.34%を適用している。類似商品の上場が短期間に相次ぎ、HYPE連動ETF市場では手数料競争が強まっている。
HYPGはHYPEを単純に保有するのではなく、Hyperliquidのステーキング報酬の獲得を組み込んだ商品だ。ステーキングで得た報酬は、手数料や諸費用を差し引いたうえで、ETFの純資産価額(NAV)に反映される。
Grayscaleは、stakingrewards.comの2025年5月から2026年4月までのデータを基に、年平均で約2.2%のステーキング利回りを見込むとしている。
市場ではHYPEへの資金流入も続いている。HYPEは週初めに76ドル近辺まで上昇して過去最高値を更新し、その後も74ドルを上回る水準で推移している。
一方、ビットコインは6万5000ドルを下回り、24時間ベースで約3%下落した。
関連ETFの騰落率もHYPE相場の強さを映している。Stocktwitsのデータでは、THYPは5月12日の上場以降で約75%上昇し、BHYPも5月15日の上場以降で約60%上昇した。
5月のHyperliquid連動ETFの累計純流入額は1億3200万ドルを超えた。これに対し、同時期のビットコインおよびイーサリアムの現物ETFでは記録的な資金流出がみられ、資金フローの差が鮮明になっている。
こうした資金流入は、HYPEの時価総額拡大にもつながっている。HYPEの時価総額は約161億ドルに達し、Dogecoin(DOGE)を上回って、暗号資産の時価総額ランキングで9位に入った。
背景には、Hyperliquidの事業領域の拡大がある。Hyperliquidは2024年に分散型の無期限先物取引所として始動し、その後はスマートコントラクト、トークン化資産、オンチェーン市場インフラへと事業を広げてきた。
2025年の売上高は約8億5700万ドルで、このうち約99%がHYPEのバイバックに充てられた。直近7日間では、StocktwitsでHYPEを追跡するトレーダー数が1600%以上増えたという。
Grayscaleで資本市場部門のシニア・バイスプレジデントを務めるクリスタ・リンチ氏は、Hyperliquidについて「デジタル資産市場で明確に差別化されたプロトコルであり、大規模なオンチェーン取引と市場活動を支える設計になっている」と説明し、HYPG投入の背景を示した。
HYPE連動ETF市場は、単なる上場の先陣争いから、信託報酬や収益構造を競う段階に移りつつある。なかでも、ステーキング報酬をNAVに反映する仕組みが、投資家需要をさらに呼び込むかが焦点となりそうだ。