Alphabetのスンダー・ピチャイCEOは、量子コンピューティングについて「AIの5年前に相当する段階にある」との見方を示した。量子技術を巡っては、誤り訂正を軸に実用化を目指す開発競争が、GoogleやIBM、Amazonなどの間で激しさを増している。TechRadarが2日に報じた。
同氏は昨年末のBBCのインタビューで、量子技術全体の発展段階についてこうした認識を示していたという。
量子コンピューティングを巡る競争は、ビッグテック各社に加え、大学の研究機関も巻き込んで広がっている。GoogleはIBMやAmazonなどと並び、量子コンピューティング技術の高度化を進めている。
業界が目指しているのは、高い結合性を備えた量子コンピュータの実現だ。単にキュービット数を増やすだけでは不十分だとみられている。
キュービットは従来のコンピューティングにおけるビットに比べてエラーに弱く、適切な誤り訂正がなければ、有用な結果を得る前に計算が成り立たなくなる恐れがあるためだ。
このため、最大の課題は誤り訂正にある。こうした量子コンピュータが実現すれば、最速クラスのスーパーコンピュータよりも有用な実用計算を、より短時間で処理できる可能性がある。
Googleは2024年12月、しきい値以下の誤り訂正を初めて達成した。理論上は、システムにキュービットを追加するほどエラーが増えるのではなく、むしろ減少する段階に入ったことを意味するという。
もっとも、この成果だけでGoogleが今後5年以内に量子コンピューティングの「ChatGPTの瞬間」を最初に生み出すと断定することはできない。業界内では、複数のプレーヤーが同様の前進を見せているためだ。
ピチャイCEOは、5年前のAIについて、単純な機械学習機能やニューラルネットワークを基盤とする研究プロジェクトを指す言葉に近かった一方、現在では社会を再編する技術全般を意味するようになったと指摘した。
量子コンピューティングにも、強力な処理能力によって幅広い分野を変えるとの期待が集まっている。ただ、現時点での活用例の多くは、なお研究・科学分野にとどまっているという。