Appleが投入を準備しているとみられるBeatsの新型オーバーイヤーヘッドホンが、サッカー選手ラミン・ヤマルのSNS投稿で確認された。現行のBeats Studio Proから外観が大きく変わっており、Beatsブランドのデザイン路線を見直す製品になる可能性がある。
米ITメディアの9to5Macは5月30日(現地時間)、公開された写真に未発表のBeats新型オーバーイヤーヘッドホンが写っていると報じた。型番はA3577とされ、業界ではBeats Studio Proの後継機との見方が出ている。
外観上で最も目を引くのはヘッドバンドだ。2023年発売のBeats Studio Proと比べて意匠が大きく変わり、Appleのプレミアムヘッドホン「AirPods Max」を思わせる形状になっている。
イヤーカップとヘッドバンドをつなぐ部分も、従来より細く洗練されたデザインに改められた。Beats Studio Proでは接合部に厚みがあったのに対し、新モデルでは細いフレームを採用。全体として、より軽快な印象に仕上がっている。ヘッドバンドは頭頂部に向かって幅が広がる構造にも見える。
イヤーカップの造形も変更された。Beats Studio Proではイヤークッションと外側ハウジングが比較的フラットにつながっていたが、新製品では外側にふくらみを持たせた形状が確認できる。装着感の改善や内部スペースの確保を狙った可能性がある。
カラーリングも特徴の一つだ。今回確認された個体はピンク系とみられ、現行のBeats Studio Proにはない色味だ。近い色はBeats Solo 4で採用例があるものの、オーバーイヤー型のフラッグシップでは珍しい選択となる。
こうした変化を受け、業界では単なる新製品の追加ではなく、Beatsブランド全体のデザイン方針を見直す動きと受け止められている。
AppleとBeatsはこれまでも、著名人を通じて未発表製品を自然に露出させる手法を取ってきた。AirPodsやBeatsの複数製品では、正式発表前にスポーツ選手や著名人の着用写真で存在が知られた例がある。今回は世代間で外観の違いがはっきり確認できる点が注目されている。
現行のBeats Studio Proは2023年に発売されたが、基本デザインは2019年発売のBeats Studio 3から大きくは変わらなかった。USB-Cポートや空間オーディオ、改良型イヤーパッドなどを追加した一方、外観の刷新は限定的だった。これに対し、今回の新モデルは数年続いたデザインを大きく転換する製品になる可能性が高い。
関心は内部仕様にも広がっている。Beats Studio ProはAppleのH1チップではなく、Beats独自設計のチップを採用した。Android端末との互換性向上には寄与した一方で、iPhoneユーザーにとってはAirPodsシリーズの自動切り替えのような深い連携を利用しにくい面があった。
最近ではPowerbeats Pro 2など一部製品でApple製チップの活用を再び強める流れも出ている。このため、新型オーバーイヤーヘッドホンでもプラットフォーム戦略の見直しが反映される可能性が指摘されている。
発売時期は明らかになっていない。ただ、著名人のSNSを通じた露出が始まったことで、業界では正式発表が近いとの見方が広がっている。市場では、単なる後継機にとどまらず、Beatsがデザインとエコシステム戦略をどう再構築するかを示す転換点になるとの見方もある。