ビットコイン現物ETFは5月、23億ドルの純流出となり、2026年に入って最大の月間流出を記録した。ビットコインが6月入りを前に7万3469ドルで推移する中、機関投資家の資金流出に加え、大口保有者や長期保有者の売りが重なり、相場の下押し圧力が強まっている。ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが29日(現地時間)に報じた。
5月の純流出は、3月と4月の純流入基調から一転した。純流入額は3月が13億2000万ドル、4月が19億7000万ドルだった。
5月の流出額は2026年で最大となり、2025年11月以降でも最も大きい。ビットコインの5月の下落率は3.69%にとどまった一方、純流出額は2月の2億600万ドルの約10倍に達した。累計純流入額も、4月の580億9000万ドルから557億9000万ドルへ縮小した。
こうした動きは、例年の6月相場の傾向とも一致しない。過去12年のビットコインの6月の中央値リターンは2.58%で、下落した年は5回にとどまる。
テクニカル面でも重い展開が続いている。ビットコインは1月13日の高値から38.63%下落した後、2月6日以降は3日足ベースで上昇チャネル内を推移している。ただ、急落後に形成された上昇チャネルは、強気シグナルというより下落トレンドの継続パターンと受け止められることが多い。
5月初旬にはチャネル上限の突破を試したが、抵抗線に阻まれて押し戻された。足元では20期間・50期間の指数移動平均線をすでに下回っている。3日足では、100期間と200期間の指数移動平均線が交差する可能性も高まっている。
買いが相場を支えられなければ、次の焦点はチャネル下限となる。オンチェーン指標も弱含みの動きを示している。Glassnodeによると、1000BTC以上を保有する大口保有者数は、5月22日の1285から5月28日には1279へ減少した。
約1週間で少なくとも6000BTCが市場に放出された計算になり、現在価格ベースでは約4億4000万ドル規模に相当する。155日以上保有するアドレスの純買い・純売りを示すホドラー純ポジション変化指標も、5月24日の4万2301BTCから5月28日には3万9049BTCへと7.69%低下した。
ベンジャミン・コーウェンは、ビットコインのサイクル底入れはなお先との見方を示した。2026年に新たな安値を付ける可能性があるとし、基本シナリオとして10月を挙げた。
6月相場で重要な価格帯は7万3869ドルとされる。ビットコインが3日足終値ベースでこの水準を回復できれば、弱気地合いの緩和につながり、7万7877ドル、さらに8万2785ドルを試す展開もあり得る。
一方、この水準を回復できなければ、上昇チャネル下限の7万342ドルが次のサポートとして意識される。ここを割り込んだ場合は、6万8348ドル、その後は6万3886ドル、5万9424ドルまで下値余地が広がる可能性がある。
機関投資家の資金流出、大口保有者の売り、長期保有者の持ち高縮小が同時に進む中、6月のビットコイン相場は主要価格帯を維持できるかどうかが方向性を左右しそうだ。