国家R&Dの行政書式削減と研究支援システム統合を進める方針を示した(写真=Shutterstock)

科学技術情報通信部は5月29日、国家研究開発(R&D)に関する行政書式を大幅に削減し、研究支援システムの統合を進める方針を明らかにした。研究者が書類作成や証明書類の提出に費やす時間を減らし、研究に専念できる環境の整備につなげる。

同日開かれた第9回科学技術関係閣僚会議では、「研究行政負担の軽減に向けた国家研究開発行政システム革新案」が審議・議決された。

今回の施策は、2025年11月の第1回科学技術関係閣僚会議で公表した「科学技術で未来を先導する研究開発エコシステム革新案」の後続施策に当たる。柱は、国家R&Dの行政書式の整理と、研究支援システムの統合・連携だ。

これまで国家R&Dでは標準書式58件が定められていたが、各省庁や研究管理の専門機関が独自に追加書類を求める運用が広がり、研究者の事務負担が膨らんでいた。科学技術情報通信部は27の専門機関と合同でタスクフォースを立ち上げ、2025年12月から実態調査を進めた結果、行政書式は計2171件に上ることを確認した。

このうち、単純な参照用や重複書類に当たる1952件は廃止し、65件は電子化する。これにより、運用する書式は154件に整理され、全体の9割超を削減することになる。154件の内訳は、標準書式67件、非標準書式87件だ。

非標準書式については、研究開発事業の段階ごとに添付できる件数の上限を設ける。公募受け付け段階は最大3件、評価、協約、研究実施、事後管理の各段階はそれぞれ最大2件までとする。

あわせて、行政手続きの電子化も進める。省庁横断の統合研究支援システム「IRIS」を刷新し、単純確認や自己点検の書式はチェックリスト方式に切り替える。個人情報の提供同意など、研究者による同意手続き15件も電子化する。さらに、IRISと外部の行政システムを連携し、資格確認や証明書類に関する49件の書式は自動提出を可能にする。

7月からは、IRISで公示されるすべての国家R&D事業で、整理後の154書式を中心に全手続きを運用する。それ以外の追加書類の提出は原則として認めない。事業の特性上、追加書式が必要な場合でも、件数上限の範囲内で限定的に認める方針だ。

研究支援システムの統合も本格化する。科学技術情報通信部は6月から、R&Dサービス統合ログインサイト「研究24」を通じ、1回のログインで主要サービスを利用できるようにする。2028年までに、研究課題を扱うIRIS、研究費管理のEzbaroとRCMS、研究情報のNTISの4大研究支援システムを、IRISを中心に統合する計画だ。評価委員の推薦や規定に関する質疑応答など研究行政プロセスへのAI活用も段階的に進め、AI基盤の行政支援サービスを導入する。

科学技術情報通信部は今回の施策により、年間約40万件の行政書式作成負担と、少なくとも2万時間以上の研究行政関連業務を削減できると見込んでいる。単に書式数を減らすだけでなく、作成、提出、管理の方式そのものを研究者中心へ転換する狙いがあるとしている。

科学技術情報通信部のパク・イング科学技術革新本部長は「研究者にとって最も貴重な資源は時間だ」としたうえで、「不要な書式が再び増えないよう継続的に管理し、研究者が事務負担なく研究に専念できる環境を整える」と述べた。

なお、同日の閣僚会議ではこのほか、各省庁のAI転換の進捗や、フィジカルAIの中核競争力確保戦略、製造AI 2030戦略についても議論した。AI基盤のサイバー脅威対応に向けた民間情報保護推進計画や、大学の研究施設・設備の共同活用促進策も議題に上った。

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