POSCO Future Mは28日、LFP(リン酸鉄リチウム)正極材の専用工場に着工したと発表した。合弁会社のCNP New Materials Technologyを通じ、浦項・迎日湾第4一般産業団地で建設を進める。2027年の量産開始を目指し、年産能力は最大5万トンまで段階的に引き上げる計画だ。
同社は今回の着工により、ESS(エネルギー貯蔵システム)や電気自動車向けを中心とするLFP正極材事業を本格化する。POSCO Future MとPino、CNGRの3社による合弁会社CNP New Materials Technologyは同日、現地で着工式を開いた。
POSCO Future Mは2025年12月、合弁パートナーと投資契約(JVA)を締結し、LFP正極材事業への参入を正式に打ち出していた。主力のNCM(ニッケル・コバルト・マンガン)やNCA(ニッケル・コバルト・アルミニウム)といった三元系正極材に加え、LFPまで製品ラインアップを広げる方針だ。
LFP電池は三元系電池に比べて性能面では劣る一方、価格競争力が高く、寿命も長いとされる。再生可能エネルギーの拡大に加え、AI向けデータセンターの増加に伴う電力需要の拡大を背景に、ESS向け需要が急増している。電気自動車市場でも、エントリークラスの車種を中心に採用が広がっている。
同社は専用工場の完成を待たずにLFP正極材市場へ参入するため、浦項正極材工場の三元系ハイニッケル正極材ラインの一部をLFP向けに転換している。2026年第2四半期に試作品を生産し、同年下半期に本格量産へ移行する計画。専用工場が完成する2027年に先立ち、顧客への供給体制を整える考えだ。