金価格は下値模索の展開が続いている。1オンス当たり4376ドルの支持線近辺まで下落しており、市場ではこの水準を維持できるかが当面の焦点となっている。
27日付のBeInCryptoによると、金は平行三角形の下限を下抜けた後も弱い値動きが続いた。同日の金価格は前日比2%安の4410ドル前後で推移した。
市場関係者が注視するのは4376ドルの支持線だ。日足ベースではフィボナッチ・リトレースメントの0.618水準に当たり、短期調整にとどまるのか、中長期の下落局面に移行するのかを見極める分岐点とみられている。ここを明確に割り込めば、次の下値メドとして4044ドルが意識される。
短期チャートでも弱さが鮮明になっている。4時間足では下落平行チャネルの中央値を下回り、足元ではチャネル下限付近で推移している。この価格帯は4376ドルの支持線とも重なる。
相対力指数(RSI)は27まで低下し、売られ過ぎの領域に入った。ただ、売られ過ぎが直ちに反発につながるとは限らない。ボリンジャーバンド幅のパーセンタイル指標も高ボラティリティ局面を示しており、今回の下落は一時的な調整というより、方向感を伴う弱気トレンドの一環である可能性を示唆している。
日足でも基調は同じだ。日足RSIは36と4時間足より高いものの、上位時間軸ではなお下値余地が残るとの見方がある。ボリンジャーバンド幅のパーセンタイル指標も、長く続いた低ボラティリティ局面を離れ、拡大局面に入りつつある。過去にはこうしたボラティリティ拡大の後、トレンド転換が進まず、相場の方向性が長引くケースが多かったとされる。
足元の下落は、新たな急落局面の始まりというより、従来の弱気トレンドが続いている局面と受け止められている。金は5月15日までに平行三角形の下限トレンドラインを下抜けた後、安値を切り下げてきた。今回の下げも、一時的な戻り失敗というより、すでに形成されていた下落基調の延長線上にあるとの見方が優勢だ。
もっとも、反発シナリオが完全に消えたわけではない。買い方が4376ドルを守れば、最初の上値メドとして4609ドルが意識される。この水準は下落チャネルの中央値に当たる。反発が強まれば、長期の上値抵抗線である4842ドル近辺を試す可能性もある。ただ、4842ドルは2月に5600ドルを上回る高値を付けて以降、戻りを抑えてきた水準でもある。
市場の一部では、より大きな下落余地を指摘する声もある。X(旧Twitter)のアナリスト、セルラルクツュケルは、複数回の反発と下落を経て、2026年末に3500ドル近辺まで下げる可能性があるとのシナリオを示した。上位時間軸のチャートでも、4234ドルから3475ドルに向かう下落経路が言及されている。
一方、デリバティブ市場の一部で取り沙汰された2万ドル予想とはなお開きがある。現時点での焦点は、4300ドル台の支持帯が売り圧力を吸収できるかどうかだ。4376ドルを維持できれば短期的な戻り余地は残るが、割り込めば下押し圧力は一段と強まりそうだ。