暗号資産の大口投資家が分散型デリバティブ取引所Hyperliquidで79万2200XRPの20倍ロングを構築し、市場の注目を集めている。参入後にXRP相場は下落して含み損となった一方、ビットコインなど他ポジションの含み益で損失の一部を相殺しているという。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが27日、報じた。参入価格は1.3564ドル。市場全体が調整局面にあるなか、XRPの反発を見込んだ取引との見方が出ている。
ポジション規模は17万ドル超で、最大20倍のレバレッジをかけた。XRPコミュニティで活動するザイプ氏はX(旧Twitter)でこの取引を紹介し、「レバレッジを最大まで使った。大口は遊びでこうした取引はしない」と投稿した。市場では、大口資金が短期的な反発を先回りした可能性に関心が集まっている。
もっとも、参入後のXRPは一段安となった。ビットコインや主要アルトコインも、リスク回避姿勢や上場投資信託(ETF)からの資金流出、マクロ経済の先行き不透明感を背景に軟調に推移し、このXRPポジションも含み損に転じた。
公開された画面では、当時の未実現損失は約3757ドルだった。その後、XRPが1.32ドル近辺まで下落したため、損失は3万ドル近くまで膨らんだ可能性がある。20倍のレバレッジをかけているため、小幅な値動きでも損益が大きく振れやすい。
一方で、このトレーダーは他ポジションの利益でXRPの損失の一部を補っていた。最大の含み益はビットコイン254.98BTCの40倍ロングで、未実現利益は13万8000ドル超、収益率は28%超だった。HYPEの10倍レバレッジポジションでも7万4000ドル超の利益が出ていた。
このほか、Zcash(ZEC)、Solana、Aave(AAVE)、FARTCOINも含み益だった。半面、PUMPは1万6000ドル超の損失となり、KPEPEとAvalanche(AVAX)もマイナスだった。利益ポジションと損失ポジションを組み合わせ、ポートフォリオ全体の変動を抑える運用をしていることがうかがえる。
XRPのデリバティブ市場での需給変化も取り沙汰されている。ザイプ氏は、XRPの未決済建玉が直近30日で最高となる6000万件を上回ったと指摘した。同時に、Binanceの無期限先物の累積出来高デルタはマイナス6億4190万ドルまで低下し、現物の累積出来高デルタは3億9730万ドルだったという。
こうした乖離は、現物市場ではXRPに買いが入る一方、先物市場では積極的な売りが続いていることを示す。一部のトレーダーの間では、この構図が続けば、XRPが急反発した際に空売りの買い戻しが集中するショートスクイーズにつながる可能性があるとの見方も出ている。
今回の20倍ロングについて市場では、単なる高リスク取引ではなく、現物優位と先物売りの拡大という需給構造を踏まえた短期反発狙いのポジションとの受け止めが広がっている。XRPが弱含む局面で大口投資家が最大レバレッジでロングを積み上げた背景に、関心が集まっている。