米ビットコイン採掘企業のTeraWulfは、米ケンタッキー州でデータセンター開発用地を取得した。AI(人工知能)とHPC(高性能計算)向け事業の拡大を進める。
Cointelegraphが26日(現地時間)に報じたところによると、同用地は長期的に1GW(ギガワット)超のAI・HPC向け容量に対応できるよう設計されている。
同社はまず2028年までに500MW(メガワット)を稼働させ、その後2030年までに追加で500MWを確保する計画だ。用地には送電網整備計画や長期の電力契約も組み込むとしている。
ビットコイン採掘を主力としてきた同社は、これに加えてAI・HPC向けホスティング事業を拡大する方針を鮮明にした形だ。
背景にはHPC事業の伸びがある。直近四半期のHPC関連売上高は前年同期比117%増だった。
成長を支える主要資産としては、米ニューヨーク州西部の「レイク・マリナー」施設がある。北米有数のHPCキャンパスの一つとされる一方、同社はAIインフラへの積極投資に伴い、四半期ベースの損失が拡大している。
資金調達の手当ても進めている。TeraWulfは昨年9月、データセンター拡張を支援するため、Morgan Stanleyを通じて30億ドル(約4500億円)規模の資金調達契約を発表している。
Googleはこの債務ファイナンスを下支えする役割を担うという。市場では、今回の用地取得が単なる計画発表にとどまらず、実際の拡張段階に入ったとの見方につながった。
株価はこれを好感した。TeraWulf株は26日のニューヨーク市場序盤に一時13.6%高となり、1株26ドル近辺まで上昇。約3週間ぶりの高値圏を付けた。
ビットコイン採掘企業に連動するETF(上場投資信託)であるCoinShares Bitcoin Miners ETF「WGMI」も、取引時間中に4.5%上昇した。同ETFに占めるTeraWulfの組み入れ比率は10.86%で、3番目の大きさという。
年初来でも株価の上昇基調は続く。TeraWulf株は2026年に入ってから約120%上昇した。
市場では、同社のAIインフラ事業の拡大やHPC売上高の伸びに加え、AIワークロードの増加に伴うデータセンター需要の拡大にも関心が集まっている。
今回の用地取得は、ビットコイン採掘業界全体で進む事業再編の流れとも重なる。採掘収益性が圧迫されるなか、主要企業はAIやHPCを新たな収益源として育成している。
Hut 8、Hive Digital、Marathon Holdings、Irenも同様の戦略を進めている。もっとも、TeraWulfにとっては、AIシフトの過程で成長性と収益性のバランスをどう取るかが引き続き焦点となる。
HPC売上高は急拡大しているものの、AIインフラ投資の負担は重い。ケンタッキー州の新用地で、電力インフラを含む開発を計画通り進められるかが、今後の事業成果を左右する。