Strategyによる大型買い付けがいったん止まる中、中堅のビットコイン財務企業が価格調整局面で買い増しを進めた。現物ETFからは資金流出が続いた一方、企業による長期保有を前提とした積み増し姿勢は維持されている。
Cointelegraphが26日(現地時間)に報じたところによると、先週は中堅のビットコイン財務企業が合計602.6BTCを追加取得した。取得額は約4600万ドル(約69億円)。ビットコイン価格が8万ドルを下回る場面で買いが入った。
内訳は、資産運用会社でビットコイン財務企業でもあるStriveが381.6BTC、グローバル食品ブランドのDDC Enterprise Limitedが200BTC、英国のウェブデザイン企業The Smarter Web Companyが19BTC、AIデータセンター企業Hyperscale Dataが2BTCだった。
平均取得単価にも注目が集まった。Striveは1BTC当たり平均7万9348ドル、DDC Enterprise Limitedは同7万9496ドル、The Smarter Web Companyは同7万7687ドルで取得した。
Hyperscale Dataは公開市場で購入したことのみを明らかにしており、取得単価は開示していない。一方、買い付けが行われた日曜日時点のビットコイン終値は約7万6981ドルだった。
企業の平均取得価格は、単なる売買記録にとどまらない。保有資産の含み損益を測る目安となるほか、長期保有スタンスを見極める指標としても意識されるためだ。市場では今回の動きについて、短期的な値幅取りではなく、長期保有を前提とした積み増し戦略に近いとの見方が出ている。
一方で、資金動向には温度差もある。ビットコイン現物ETFは金曜日まで6営業日連続で純流出となり、流出額は累計15億4000万ドル(約2310億円)に達した。
ただ、暗号資産分析プラットフォームのSantimentは、こうした流出をむしろ「逆指標」とみている。ETFの資金フローは、機関投資家の動向よりも個人投資家心理を色濃く映す可能性があるとし、足元の流出はスマートマネーのポジション変化というより、個人投資家のセンチメント悪化を示す公算が大きいと分析した。
この局面では、Strategyの買い付け停止も対照的な材料となった。Strategyは直前週の5月11〜17日に約20億1000万ドル(約3015億円)を投じ、2万4869BTCを購入していた。平均取得単価は約8万985ドルで、年初来では3番目の大型投資となっていた。
これに対し、今週は新たな週次買い付けが確認されておらず、相対的に規模の小さい企業による買い集めが目立つ格好となった。
それでも、上場企業によるビットコインの積み増し基調は続いている。ビットコイン財務データプラットフォームのBitcoin Treasuriesによると、ビットコインを保有する公開企業は約198社あり、保有総量は124万BTCに達する。これはビットコイン総供給量の約5.9%に相当する。
市場では足元の焦点について、企業需要そのものの減速ではなく、「誰が買いの主導権を握るか」に移っているとの見方が出ている。大口買い手が一服する間も、一部企業は価格調整を長期投資の好機と捉えており、ETFの資金流出とは別に、財務戦略の一環としてのビットコイン組み入れは広がりを保っている。