Everstakeは、ETHを財務資産として保有する上場企業15社を分析した結果、2025年の開示売上の約60%をステーキング収益が占めたと明らかにした。Ethereum現物ETFの登場を背景に、上場企業の競争力は保有量そのものではなく、保有資産をどれだけ安定的に収益化できるかへと移りつつある。
ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが26日(現地時間)に報じた。Everstakeは、2026年5月までに開示資料と実績データを確認できた上場企業15社を対象に分析を実施した。
調査では、ステーキング関連の売上を個別に開示した企業を中心に、ETHを保有するだけでなく、いかに運用して収益を生み出すかが業績を左右する構図が鮮明になった。
Bit Digitalはその一例だ。2025年のETHステーキング報酬は約700万ドルで、前年から287%増加した。
もっとも、収益機会の拡大がそのまま採算改善につながっているわけではない。2025年度における対象企業の合算純損失は約14億1000万ドルに達し、一部企業では赤字幅が大きく膨らんだ。
BitMine Immersion Technologiesは、今年2月末時点で直近6カ月の純損失が約90億2000万ドルだった。暗号資産市場のボラティリティに加え、レバレッジをかけたエクスポージャーが重なったことが要因とみられている。
市場構造の変化も、こうした企業の立ち位置を変えつつある。Ethereum現物ETFの登場によって、これまで上場企業が担ってきた間接エクスポージャーとしての優位性は薄れてきた。
その結果、単純な保有戦略よりも、実際に収益を生み出せる運用力が新たな競争基準になりつつある。
Everstakeの共同創業者兼最高執行責任者(COO)、ボダン・オプリシコ氏は「受動的な保有戦略は構造的な再評価に直面している」とした上で、「市場は、遊休資産ではなく積極的に運用される資産から収益が生まれる方向へ移っている」と説明した。
さらに、「流動性ステーキングやDeFiレンディングとの連携、MEV(Maximal Extracted Value)の取り込みといったバリデーターレベルの戦略が、企業の競争力を左右する要素になっている」と述べた。
こうした変化は株価評価にも表れている。一部のETH保有企業では、保有資産価値を下回る水準で株式が取引されており、市場が付与してきたプレミアムの縮小傾向がうかがえる。
これは、投資家が単純なエクスポージャーだけでは評価を上乗せしなくなりつつあることを意味する。Everstakeは報告書で、「ステーキングは、2026年以降も競争力を維持しようとするすべてのETH保有企業にとって、構造的な最低ラインになった」と指摘した。
市場の関心は、保有一辺倒の企業が再評価局面を生き残れるかどうかに移っている。現物ETFの拡大後、上場ETH保有企業の競争力は保有量ではなく、保有資産からどれだけ安定収益を生み出せるかによって決まることを、今回の調査は改めて示した。