ビットコイン・ピザデーで1万BTCを受け取ったジェレミー・スターディバント氏が、その後の使い道について、米国横断旅行の旅費に充てたと明かした。価格上昇で当時の取引が改めて注目される中、ビットコインを決済手段とみるか、長期保有資産とみるかを巡る議論も再び活発になっている。
BeInCryptoによると、スターディバント氏は25日(現地時間)、旅行中に現金が尽きた際、ビットコインで資金不足を賄ったと説明した。
この発言は、BlockstreamのCEOであるアダム・バック氏が、スターディバント氏のインタビュー動画の一部を再投稿したことで拡散した。暗号資産コミュニティでは、ビットコイン初期の象徴的な取引として改めて関心が集まっている。
この取引が行われたのは2010年5月。開発者のラズロ・ハニェツ氏が、パパジョンズのピザ2枚の代金として、スターディバント氏に1万BTCを送った。現在では毎年「ビットコイン・ピザデー」として知られ、ビットコイン初の商業利用の一例として広く語られている。
スターディバント氏は当時、ビットコインを投資対象とは考えていなかったという。実際に使える通貨として捉え、価格が上がっても使い続けていたと説明した。保有より利用を重視しており、米国横断旅行の途中で資金が足りなくなった際にも、ビットコインを決済に充てたとしている。
今回の発言は、ビットコインを通貨として使うべきか、長期保有すべき資産とみるべきかという長年の議論を改めて浮き彫りにした。スターディバント氏が決済手段として利用した立場を示した一方、アダム・バック氏は長期保有戦略を支持する代表的な論者として知られる。バック氏は法定通貨の価値下落を理由に、ビットコインは長期保有に適した資産だと繰り返し主張してきた。
ビットコイン価格の上昇は、この取引の象徴性をさらに高めている。ビットコインは2025年10月に1BTCあたり約12万6000ドルで過去最高値を記録した。この水準で換算すると、当時の1万BTCは12億6000万ドルを超える。2026年のピザデー前後の価格である約7万7787ドルで計算しても、名目価値は7億7000万ドルを上回る。
もっとも、スターディバント氏は当時の判断を後悔していないと語っている。取引時の規模は41ドル程度で、必要な用途に使っただけだという。現在の市場ではビットコインを保有資産としてみる見方が強いが、当時は決済手段として使うという発想がより前面に出ていたことになる。
ビットコイン・ピザデーは、単なる記念日ではなく、ビットコインの本質を問い直す材料にもなっている。初期の利用者にとっては決済手段だったビットコインが、現在では価値保存資産として受け止められる場面が増えた。スターディバント氏の発言は、その受け止め方の変化を改めて示した。